2019年 2月 21日 (木)

<ザ・プレイス>
「あなたの願い叶えます」相談者に課せられる「無気味な対価」―謎の男は何者か?

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   スクランブル交差点の横に佇むカフェバー。客が並ぶような店ではないが、そこそこに混んでいて、客の回転も悪くなくて、でも店の奥にこもってしまえば何時間いても気づかれなさそうな丁度良い混雑。

   名前を明かされない主人公の男の定位置は、そんな奥だ。顔見知りのウェイトレスに、コーヒーとサラダと、たまにホットミールを頼む。朝から晩までその席で手帳を広げている。男の仕事は人の願いを叶えることだった。

息子の回復願う父親に「代わりに女児を殺せ」

   相談者はひっきりなしに訪れる。ただし、タダじゃない。相談者たちは願いの対価を指示される。綺麗になりたい女性に課されたのは強盗を起こすことだった。息子の回復を願う父は見知らぬ女児を殺すことを求められる。とても実行できやしないレベルの凶行を指示されることもあれば、できなくもない程度の奇行を示されることもある。

   はたして、男に「願いを叶える」力があるのか。それとも、叶いそうもない願いには、できそうもない対価を言い渡し、自分の持ち駒でマッチングできそうな願いには、トリガーとなるアクションを与えているのか。

   真相は語られないけれど、しばしば男の期待が裏切られるシーンが描かれるあたり、後者よりなのかもしれない。そのあたりを多くは語らないのが良いところでもあり、もどかしさでもある。

イタリア映画祭で見つけたブラックなユーモア

   スクランブル交差点から店を眺める引きの画と、店内という二つのシチュエーションだけで100分以上をスリリングに保つ脚本の力には脱帽するしかない男の仕事は? その能力は? 男に願い事を持ち込む彼らはいったい? そしてその人生は男と関わることで変わるのか―― たくさんのクエスチョンマークにひきずられ、解釈しながら次の事実を追いかけていると、すっかり物語も終盤になっている。

   東京・有楽町で開催していた「イタリア映画祭2018」で巡り合った、私にとってのヒット作。陽気なイタリア映画ではないけれど、哀愁と孤独、ブラックだけれどユーモラスな人々が、心に残る一作だった。映画が好きならきっと楽しめるはず。

   大阪会場(ABCホール)での上映は5月27日です。

ばんふぅ

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