日大アメフト「刑事責任」どうなる?内田・井上・宮川は傷害容疑で書類送検
学生が払った学費に群がり分捕り合戦―巨大な利権構造
週刊新潮によると、田中理事長の懐刀は井ノ口忠男という日大アメフト部のOBで、井ノ口は内田のことなど歯牙にもかけていないという。宮川選手が会見を開くことを知ると、宮川を呼びつけ、「監督の指示ではなかった、自分の判断だと言え」と詰め寄り、宮川はかなり悩んだという。
この人物、大阪でビジネスをする一方、10年に作られた「株式会社日大事業部」の運営を一手に担ったそうである。ここは日大に関する物品の調達、業務委託など多岐にわたる業務を管轄し、その功績が認められ、昨年秋に日大本部の理事に抜擢された。
そこが扱うものに「日大特製バームクーヘン」というのがある。これを納めているのは、井上前コーチの実家だそうだ。しかも、そこが作っているわけではなく、製造業者から買い取り、それを別の販売業者へ卸して日大に収めているというのである。権力者の周りに甘い汁を吸おうと群がり、学生たちが払ったカネのぶんどり合戦が仲間内で密かに行われているのだ。
次々に暴かれる日大の暗部だが、こうした構図に既視感があるのは、われわれの世代には多いはずだ。20億円の使途不明金、定員の3倍もの水増し合格、検閲制度、右翼暴力学生の跋扈を許し、時の政治権力と一体となって、我が物顔に日大を牛耳っていた古田会頭をはじめとする理事たちに、敢然と反旗を翻して学生たちが立ち上がったのが、学生運動史に燦然と輝く50年前の日大闘争であった。
時代が違うと多くの人はいうであろうが、私が見る限り、日大生の置かれた状況は当時とさほど変わっていないように思えてならない。少なくとも、さまざまに提起されている問題について、学生側が田中理事長の説明を求めることを決議し、田中理事長は学生に対して真摯に説明することぐらいは、あって当然であろう。