2018年 10月 23日 (火)

<50回目のファーストキス>
山田孝之・長澤まさみでピタリはまったコメディー!1日で記憶消える彼女を口説き落とせるか・・・

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(C)2018 『50回目のファーストキス』製作委員会
(C)2018 『50回目のファーストキス』製作委員会

   ハワイでコーディネーターとして働く弓削大輔(山田孝之)はカフェで藤島瑠衣(長澤まさみ)と出会い、一目ぼれする。翌日もカフェに行き、彼女に声をかけるが、彼女はきのうの事をまるで覚えていなかった。

   瑠衣は交通事故の後遺症で新しい記憶は1日で消えてしまう記憶障害を負っていた。家族は彼女のために同じ毎日を繰り返していた。事実を知った大輔は、自分を覚えていない瑠衣に、「毎日」愛を告白し続けるのだった。

   ドリュー・バリモアとアダム・サンドラーが共演した同名の映画(2004年)を、「銀魂」「HK 変態仮面」の福田雄一監督がリメイクしたロマンティックコメディである。

ユーモラスな掛け合いを楽しめ

   福田の映画は人物を介したユーモラスな掛け合いだったり、滑稽さがもたらす人物像に面白みがあるが、映像センスに優れているとは言えない。テレビサイズの演出家であり、映画というスケールには不向きであると思わせる。

   この映画のストーリーも、オリジナルをなぞっているだけで、物語に目新しい要素はなく、カメラワークにオリジナリティはなく、照明にも奥行きがなく、テレビの深夜番組を見ているようで、視覚的特別感は得られない。

   だが、めちゃくちゃおもしろいのだ。女性旅行客ばかりを口説き、一夜限りの恋愛ごっこをしていた大輔が、瑠衣に一目ぼれしたことで、初めて一生懸命に女性を口説いて、本当の恋愛を知っていくという、物語の大枠に説得力を与えているのは、山田孝之と長澤まさみの好演だ。

   大輔は瑠衣の気を引くため試行錯誤を繰り返し、瑠衣を口説く。わざと暴漢に襲われたり、わざと車をエンストさせたりする。しかし、瑠衣のリアクションは毎日違う。シチュエーションコメディの連続という退屈さと紙一重ながら、この大輔と瑠衣の寸劇が作品の生命線となっている。

   福田監督の演出の妙は、大輔と瑠衣をなぜ「山田孝之」と「長澤まさみ」が演じているのかを、メタフィクション的に大胆に言及することにあるのではないだろうか。

   「俺たちの長澤まさみ」は、出会っても、次の日には俺たちなんか忘れてしまうだろう。ただ、高嶺の花だろうがなんだろうが、あきらめてたまるかという思いを、山田孝之という、二枚目ながら、自分を売り込んだりせずに、無粋な役を演じることの多い無骨な男に託しているように見える。

   フリーの放送作家として数々のバラエティ番組を手掛けてきた福田監督のキャスティング能力と構成力がもたらした、テレビ的演出と映画の共存は新しい邦画コメディの誕生を感じさせた。

丸輪太郎

おススメ度☆☆☆

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