2024年 4月 24日 (水)

夢の新薬、人工肉をあなたの手で 日曜大工感覚で手軽にできるバイオ技術の危険な最前線

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

製薬会社の高い治療薬を自分でつくろうとする糖尿病患者

   米国にはDIYバイオを楽しむ団体が50以上ある。カリフォルニアでは、月100ドル(約1万900円)の会費で本格的な実験設備を自由に使うことができる。主婦や会社員が気軽に立ち寄る。人工血液、光るビール、いずれは分解して石油製品よりも環境にやさしいバクテリアのシートと夢がふくらむ。

   糖尿病患者の一人が、製薬会社に独占されて高価な治療薬を微生物から作ろうとネットで呼びかけたところ、協力の申し出が相次いだ。「明るい未来をつくる最善の方法だ」という声もある。

   こうした団体は今、世界に168ある。日本でも、東京・渋谷のビルの一角にある実感室に行くと、初心者向け講習会が毎週開かれ、基本的な器具もそろっている。

   米国医学界が懸念するように、良いことばかりではないことは確かだ。安全性、生命倫理や生態系との関係、テロリストに生物兵器として使われないかという危惧......。ビジネスと結びつけようとする動きも、これから露骨になるかもしれない。岩崎教授は「情報やシェア文化の活用とともに議論を深めることが重要で、議論の中身やリスクについてもオープンにしないといけない」という。

   現状は個人任せ、別の言葉でいえば野放しに近い。さまざまな人が多角的にチェックするシステムづくりを急がないと、先端技術の問題につきものの対応の遅れを繰り返すことになりかねない。制度作りまでも米国が始めるのを待てばいいというものでは、もちろんない。動きがとかく鈍い日本の行政がどうも心配だ。「米国もまだだから」などといっている場合ではない。

   ※NHKクローズアップ現代+(2018年6月25日放送「あなたが『夢の発明』の主役!? DIYバイオ最前線」

   

   文・あっちゃん

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