2024年 4月 25日 (木)

独裁追認のカンボジア総選挙!それでも生き続けている中田厚仁の「平和と民主主義を諦めない」

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「アツの残してくれたメッセージを守る」子供たちに遺志伝える教師

   同僚の黒田一敬さんが弔辞を読んだ。「中田君は、いつまでも、僕たちの心の中にいてくれます」。年も近く、2人は話し合った。中田さんは絶えず、「私たちでなければできないことが、きっとあるよね」「誰かがやらなければいけないなら自分がやる」と言っていた。「力強いメッセージでした」と黒田さんは語った。

   中田さんの四十九日は選挙だった。中田さんが担当した地域の投票率は99.9%だった。投票箱から、中田さんへの感謝のメッセージが次々に出てきた。「ポル・ポトに父を殺された私に、友達のように接してくれた」「選挙で初めて自分の意思を示した。嬉しかった。ありがとう」

   中田さんの遺志を引き継ぐ教師のカー・ヒンさんは子供たちに絶えず、「アツ」を語る。今回の総選挙で、投票用紙に「本当の民主主義を守ってほしい」と抗議の言葉を書いた。無効票となるのは承知の上だ。

   ヒンさんは「自分の意思で選挙に行くという、アツが残してくれたメッセージを守りました。より良い民主主義のための1票です」と語る。

   黒田さんの人生も中田さんの死で変わった。彼のメッセージを背負って、この25年、16か国で国連の選挙支援に携わってきた。先月23日(2018年7月)、今度はパキスタンに発った。やはり選挙支援である。

   中田さんの父武仁さんは、ボランティア支援基金を設立。2016年に亡くなるまで、「ボランティア名誉大使」として、世界50か国に息子のメッセージを伝え続けた。講演は3000回を超えたという。国連事務総長特別代表だった長谷川祐弘さんは「自分に何ができるかを知って、それを全うしていく意志だ」と中田さん父子をたたえた。

   *NHKクローズアップ現代+(2018年8月2日放送「アツが教えてくれたもの~ある日本人青年の生きざま~」)

文   ヤンヤン
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