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国産ジェット「MRJ」2年後に飛び立てるのか?もう延期できない計画7年遅れ

   半世紀ぶりの国産ジェット旅客機となる三菱航空機のMRJが、初号機納入に向けて最終段階を迎えた。「本当に楽しみにしてるんですよ。日本の技術を世界に知らしめてもらいたい」「日本の産業として定着してもらいたい。やっぱり日本の技術ってすごいと思いますからね」と飛行機が大好きなココリコの遠藤章造はちょっとはしゃいでいた。

   MRJは2008年に開発がスタートし、13年の初納入を目指したが、「自前主義」の開発は思うように進まず、スケジュールが次々と延期され、納入が7年も遅れる事態に陥った。もう待ったなしとなって、飛行機開発の経験を持つ外国人技術者たちを起用して開発を進め、安全性の証明テストなどにも合格した。

   現在は社内飛行試験の段階で、間もなく国の飛行試験に進む。これまで400機余りを受注しており、2年後の20年に1号機納入の見込みだ。

小型機市場は世界の2強が独占

   田中泉キャスター「世界の航空業界に新規参入するMRJは、はたして通用するのでしょうか」

   90人乗りのMRJが参入することになる100席以下の小型機市場では、2000機以上の販売実績を持つブラジルのエンブラエルが世界最大手だ。カナダのボンバルディアと合わせてシェアの8割以上を持つ。

   三菱航空機は世界の市場に挑むために3つの勝負シナリオを描いている。第一は2020年の初納入を遅れないようにすること。

   武田真一キャスター「これ、実現できますか?」

   航空産業に詳しい東京大・渋武容特任教授は「はい。いろんな関係の方々がそれぞれ手分けして、もう1回きちっとした作業を組み直してやってらっしゃると聞いております」と太鼓判を押した。

   2つ目はアメリカ国内線で需要が見込める70人乗りの新機種を開発する。3つ目はアジア市場で大量受注を目指すだ。

   武田「MRJ、これで本当に勝ち残れるんでしょうか」

   渋武教授「旅客機はつくって渡すだけではなく、20年くらい続けて安全性を保ち続けることが重要になります。それを新しい飛行機がちゃんと対応しながら立派な飛行機に育っていき、日本が完成機の技術を持った設計、販売ができる国という知見をためていくことができれば、また次の展開が可能になると思います」

   どうやら、ビジネスとして成功かどうかは、20年先にわかるということらしい。

   *NHKクローズアップ現代+(2018年9月11日放送「"日の丸ジェット"世界の壁に挑む」