2019年 1月 19日 (土)

<プーと大人になった僕>
心も年とってしまった僕に会いに来たのは・・・十数年前のプ―だった!毎日が息苦しくなっている人におすすめ

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   「僕が一番好きなことは、何にもしないこと。何にもしないことは、最高の何かにつながっているんだ」

   ちょっと疲れた日にこんなセリフを聞いたら、涙腺崩壊間違いなし。

   幼年期を100エーカーの森にほど近い田舎の別荘で過ごした僕クリストファー・ロビンも、寄宿学校を経て社会人となり幾余年。忙しい日々の中で、うれしいことも悲しいこともそれなりにあった。若くして母を失ったときは悲しみにくれたし、偶然同じバスに乗り合わせた女性と恋に落ちたときは運命だと舞い上がった。そして手に入れた愛する妻と娘を守るため、きょうもクリストファー・ロビンは仕事に向かう。

リストラの憎まれ役押し付けられたクリストファー・ロビン元少年

   クリストファー・ロビンが所属する鞄屋は同族企業の不採算部門で、常にコストカットの圧力にさらされている。ウキウキわくわくとは程遠いビジネス環境ではあるが、戦禍をくぐり抜けてやっと得た職には愛着もあるし、一緒にやってきた製造部門の工員たちは、みな仲間だ。

   だが、本社からやってきたオーナー一族の御曹司は、そんな経緯など知る由もない。お荷物部門を押し付けられたとしか思っていない御曹司は、人を切るか、調達・製造の工程で抜本的な経費削減をするか、休日返上で考えろとクリストファー・ロビンに迫り、自分はバカンスとしゃれこんでしまう。

   追い込まれた状況なのに、急な休日出勤に娘と妻は不満たらたら。誰のために稼いでると思ってんだと、クリストファー・ロビンはプッツン寸前である。「何にもしない」ことが大好きだった少年の荒み具合に、見ているこっちも心が痛い。

   そんな窮地にプーが現れたら・・・。森の仲間たちを探すのを手伝ってほしいプーだったが、リストファー・ロビンはとにかく目の前の仕事に取り組みたい。嫌味も不機嫌も通じないプーに手を焼いたクリストファー・ロビンは、しぶしぶ100エーカーの森へ、旧友を送り返しに行くことにした。

そうだ!あの100エーカーの森に行ってみよう

   ともすれば人形劇になってしまうのではという懸念は、良い意味で杞憂に終わった。けして嫌な奴になったわけでなく、責任やタスクにがんじがらめにされ、怒りっぽくなっているというクリストファー・ロビンの現状を前半で丁寧に描いているから、プーとクリストファー・ロビンがかみ合わない中盤のやりとりも、童心を取り返していく後半の変化も、すんなり受け入れることができる。

   結びこそご都合主義的かもしれないけれど、「星の王子様」にリアリティを求める読み手がいないように、プーの世界にリアルなお仕事映画の要素をもとめる必要もない。どこまでも愛らしく、ノスタルジーと、幼年期の全能感を思い出させる演出に、まんまと「なりたかった大人になれたのかなぁ」と自問してしまった。

   少しばかり毎日がマンネリ化していたり、行き止まり感がある人にこそ、勧めたい。この熊、確信犯ですよ!

   ばんふぅ

    おススメ度☆☆☆

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