2018年 10月 20日 (土)

全編サントリーの宣伝ドラマだが、嫌味でなかったのは主役を演じた内野聖陽の愉快な演技のなせるわざ。国産ウイスキーを始めて創った男の成功一代記
<日経ドラマスペシャル「琥珀の夢」>(テレビ東京系)

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   伊集院静の企業もの小説が原作である。サントリー創業者の一代記だね。はっきり言って2時間半のドラマ全体が洋酒屋の宣伝みたいなものだ。けれど、宣伝臭に辟易することはなかった。何故なら、一代の成功男になる鳴江萬治郎を演じる内野聖陽が、陽気で行動力があり猪突猛進のナニワ男を楽しげに演じていて愉快だったからだ。
   大阪の米穀店の次男・萬治郎は13歳の時に丁稚奉公にやらされる。その薬種問屋のボス・理助(西田敏行)は葡萄酒の開発に悪戦苦闘していたが、萬治郎の利発さを気に入り、何かと教えてくれる。長じて萬治郎も葡萄酒づくりに乗り出すが、東京に持っていったら、先発の他社の葡萄酒にテンからかなわなかった。
   後に、偏屈なウヰスキーづくりの先人・松亀(山本耕史)を説得し、国産初のウヰスキーづくりに成功する。有名な「やってみなはれ」精神とか、水と緑がスコットランドの風土に似た山崎に工場を作ったとか、散々耳タコで聞かされたサントリーの成功物語が出てくるが、嫌味ではない。だが、なんで今更の感が無きにしも非ず。
   子供の頃、太陽に向かってかざした両手に琥珀色の光が見えた夢が、後の琥珀色のウヰスキーで実現するというエピソードは本物なのか?あるいは伊集院の創作なのか? どっちでもいいけど、焼酎やビール全盛で、重い洋酒が流行らない現代に、大金を出してこんなドラマを作らせたメーカーの深謀遠慮の方が気にかかる。(放送2018年10月5日21時~)

(黄蘭)

採点:0.5

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