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トランプ米大統領が中距離核戦力全廃条約を破棄 恐ろしい軍拡競争時代に入るのか

   トランプ米大統領が20日(2018年10月)、ロシアと結んでいる中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄する考えを、突如として表明した。

   トランプ大統領は米ネバダ州で記者団に対し、こう語った。

   「アメリカは条約を守ってきたが、ロシアが守らないので離脱する。ロシアや中国がミサイル開発をしているのに、アメリカが条約を守るなんて容認できない。だから条約を破棄して、武器を開発するのだ」

ロシアの新しい核兵器への対抗措置か

   「全廃条約」は核弾頭搭載可能な地上型中距離ミサイルを全廃することを目的として、冷戦時代の1987年に、米国のレーガン大統領とソ連のゴルバチョフ書記長との間で結ばれた。この条約により、91年までに米・ソ合わせてミサイル2692が廃棄されたという。

   羽鳥慎一キャスター「核戦力の拡大という方向に行っちゃうんでしょうか」

   テレビ朝日解説委員の玉川徹「これには伏線があって、今年(2018年)3月、プーチン大統領が新しい核兵器を開発したと発表しているんですよ。たとえば、原子力で推進する巡航ミサイル。地球上のどこにでも無限に飛行できて、低空を飛ぶので、レーダーに捕捉されにくい。これは、アメリカも迎撃できないんですよ」

   じゃあどうするかというと、「飽和攻撃」しかないという。とりあえず核ミサイルをたくさん撃つことだ。そのためには、ヨーロッパやアジアに、中距離の核ミサイルをいっぱい配備して、飽和攻撃しかけるぞと脅すしかないそうだ。

   玉川「今回の発言の背景には、そういう側面もあるのと思います」