2024年 4月 20日 (土)

美談か異常か? 女子駅伝の壮絶シーンに賛否両論 かつて箱根駅伝で棄権した選手に聞くと

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   福岡で21日(2018年10月)に行われた女子駅伝で、骨折した選手が四つんばいでたすきをつないだ壮絶な光景は、関係者にも衝撃だった。ところが、実際に似たようなトラブルを体験した選手に聞くと、「止めるべきだった」「いや、気持ちはわかる」と、反応は微妙に分かれた。

監督は2度も「棄権」を通告したのに...

   プリンセス駅伝2区で、血まみれで四つんばいをしたのは、岩谷産業の飯田怜選手(19)。転倒して右すね骨を骨折、歩けなくなった。これを映像で見ていた広瀬永和監督は、直ちに「棄権」を申し入れたが、連絡が届かないまま飯田選手ははい続けた。これを見て監督は再度「棄権」を通告したが、すでに残り20メートルという段階だったという。

   岩谷産業は、「監督が棄権を申し入れたのに、運営側の判断で選手の走りを継続させたのは遺憾」とのコメントを出した。運営の日本実業団陸上競技連合は、「選手の安全を第一に、早急に改善策を講ずる」と答えた。

   競技にアクシデントはつきもの。昨年(2017年)10月の出雲駅伝でも、倒れた選手がはって歩く光景があったし(棄権)、箱根駅伝でもしばしば起こっている。「特ダネ」は、その箱根駅伝で棄権の事態に直面した当事者に聞いた。

   2002年、法政大で棄権を経験した徳本一善さん(39)は、「頭にあったのは、絶対に走りきると、その一つでしたね」という。5キロ走った時、右ふくらはぎの肉離れを起こした。「バチンと音がして、途端に前を行く選手がどんどん先に行った」

   今回の事故について、「監督が止めてくれと言ったのであれば、それができないのは大会の運営に問題がある」という。しかし、自分が監督だったらとの問いに、「止める可能性が高いが、止めない可能性もある」といった。「骨折してでも、足がなくなってでもたすきをつなぎたい、あと100メートルだったら、行かせると思う」

   1991年に脱水症状になりながらも、たすきをつないだ早大OBの櫛部静二さん(46)は、今回の事例には批判的だ。「転んで頭を打った可能性もある。普通でない状態になったら、審判が中止させるということでいい」

森本さやかアナ「20年、30年前なら美談かもしれませんが、時代は変わっている。選手生命を考えたら、止めるべきという意見も聞かれる」

「走れなくなった所からたすきをつなげば?」

古市憲寿(社会学者)「1人の失敗が、全体のものなる。すごく古臭い。走れなくなったところからたすきをつなげればいい」

伊藤利尋「それじゃ駅伝の意味がない」

森本「箱根で棄権した徳本さんは、申し訳ないという罪悪感は今もある、と言っている」

小倉智昭キャスター「甲子園で自分エラーの負けると、どこへ行っても『あの時の』と言われる。これは一生残る。それと同じ」

森本「早稲田の櫛部さんも、『もしたすきを繋げなかったら、もっと自分を責めていたと思う』と言っている」

   徳本さんも櫛部さんも、それぞれ別の大学で駅伝部の監督を務めている。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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