「若年世代のがん」妊娠・出産どうする?乳がんの元AKB矢方美紀「まず自分の治療に専念」
10代後半~30代の「AYA(Adolescents and Young Adults世代=思春期・若年成人=」のがん患者が年間2万人もいることが、国立がんセンターの調査で初めて分かった。小児がんと中高年以上のがん患者の合間で、医療体制や支援も遅れているという。
10代は白血病、脳腫瘍、リンパ腫、20代は卵巣がん、精巣がん、甲状腺がん、30代は乳がんや子宮頸がんが多い。進学や就職、結婚、出産などと重なる時期で、前向きに闘病していても、若者ならではのさまざまな問題に直面し、悩みを抱えることになる人も多い。
魚住優アナウンサー「そのひとつが、妊娠・出産なんです」
卵子を凍結保存してがん治療後に体外受精
東京都内に住むキャリアコンサルタントの藤田菜緒さん(30)は、社会人7年目の昨年3月(2017年)、急性白血病を発症した。半年間の抗がん剤治療の経過は順調で、今のところ再発もないが、藤田さんが直面したのが「不妊」だった。
抗がん剤はがん細胞を死滅させる効果がある一方で、正常な細胞も攻撃する。とくに生殖器官がダメージを受けやすく、女性は閉経が早まる、男性は無精子症などになるおそれがある。
藤田さん「『産めないかもしれない』と先生から言われて、初めて、『産めないって嫌だな』と思いました。産むか産まないかは別としても、そもそもその選択ができないのは辛いと思いました」
卵子を凍結保存し、がんの治療後に体外受精すれば、妊娠の可能性は高まるが、卵子を採取する際の体への負担が大きく、必ず妊娠できるとも限らない。費用は35万円ほどで、全額自己負担。さらに、保存の費用が年間2~6万円かかる。治療方法によっては、がんの治療は1か月ほど中断しなければいけない。
藤田さんは悩んだ末、卵子凍結はしないと決めた。恋人と話し合い、結婚や出産は体調に合わせて自然に任せることにした。