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困窮するレトロ動物園を救え! 元証券マン園長が行った画期的なエサ代獲得策とは

   きょう30日(2018年10月)の「クイズとくもり」コーナーは「動物園」特集だ。副島淳リポーターが「動物園って、いろいろと大変なんです」と切り出した。

   栃木県宇都宮市にある「宇都宮動物園」は、38年前に作られた民営の小さな動物園だ。

   「アットホームな感じ」「少し古いけどそこがまたいい」と、地元民から愛されているが、施設の老朽化が進む中、ギリギリの経営を余儀なくされている。

地元企業が月1万円で動物のスポンサーに

   経営難の一因が莫大なエサ代だ。ゾウなどの大型動物、トラなどの肉食動物がいることもあり、エサ代は年間700万円を超える。

   困窮する動物園に新しい風を吹き込んだのが、15年前に園長になった荒井賢治さん。元証券マンという異色の経歴の持ち主で、先代の父親が急病に倒れ動物園を継いだ。

   エサ代を稼ぐために荒井さんが行ったのが、動物のスポンサー獲得だった。全面に広告が描かれたラッピングバスにヒントを得て、知り合いの商店などに声をかけたところ、「思い出がある動物園のためなら」と次々にスポンサーになってくれた。

   今ではライオンの檻にラーメン屋の広告、ホワイトタイガーの檻には植木屋など、地元の13の企業や店が月1万円で看板を出し、年間150万円の利益になっている。看板はすべて飼育員の手書きで、その独特な味わいも客から好評だ。

   ほかにも、地元の人が飼うペットを動物園の空いたケージで預かる「ペットホテル」など、さまざまなサービスを始めた。まだまだ経営は厳しいが、荒井さんは「もしかしたらダメになる時があるかもしれないけど、単純に『もうおしまい』じゃなく、ここに動物園がなくちゃいけないというものを作っていきたい」と前向きだ。

   副島リポーター「エサ代や飼育に手間がかかることもあり、動物園の経営はどこも厳しいのが現状です。でも地域の人々のために動物園を守ろうという思いでやっています。皆さん頑張っております」