2019年 6月 25日 (火)

米国中間選挙 脅威のトランプ情報戦略 個人情報を徹底分析してターゲットを絞り込み手法がエグすぎる

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   日本時間のきょう6日(2018年11月)夜に投票される米国中間選挙は、トランプ陣営のSNSを駆使した情報戦略が際立つ。ロシア疑惑や数々の内情暴露本、政権スキャンダル、メディアとの激しい対立にもかかわらず、支持率40%を維持し、共和党支持者の大半を引きつけている背景には、政策よりも感情に訴える緻密な選挙戦があった。

   民主党の牙城と長年いわれてきたミネソタ州。今回は下院選で共和党が勢いづいている。介護施設に勤めるメアリー・ティミオンさん(54)はこれまで政治にあまり関心がなく、発言をひかえてきたが、10月に選挙戦の動画を見てから変わった。移民受け入れに前向きな民主党候補を攻撃する内容に、気持ちが重なった。見ていくうちに民主党への怒りを感じ始め、共和党に初めて投票することにしたという。

「狩猟が趣味で銃規制に反対する者」が怒る映像を送る

   共和党のSNS戦略をになう団体の一つは、15州にスタッフを配置する。自治体の公開情報やデータ会社の資料買い取りなどから1億8000万人分の電話番号や趣味といった個人情報を取得し、一人一人の個人データを作る。たとえば、ピックアップトラックを所有する白人男性が「ハンティングが趣味で、銃規制に反対し、愛国心が強い」と出ると、反トランプのグループが兵士像を破壊する場面のニュース映像を流す。怒りをあおり、トランプ支持の投票につなげる。

   マット・ブレイナード代表は「怒りにつけこむと言われるのは心外だ。私たちは何が問題を明らかにしているだけだ」というのだが、そこに政策論争で問題を突き詰める民主主義のシステムは機能しない。

   「政策を掲げるより感情に訴えることが重要」という共和党関係者は、10月に起きた民主党候補の女性暴力事件の政治広告をSNSに流し続けた。メアリーさんはこの広告に刺激され、共和党支援の活動を始めた。フェイスブックのグループを立ち上げると、ひと月足らずで3000人を上回る仲間が集まった。「同じ考えの人たちばかりで盛り上がっています」と、今も増え続けているという。ネット上の政治広告は4年前の24倍、全米で2000億円規模になった。

   ニューヨーク大学の研究チームが、どんな政治広告を誰が出したかを分析したところ、最も多かったのは共和党でも民主党でもなく、トランプ大統領本人だった。デーモン・マッコイ講師は「民主主義には政策論争が必要なのに、社会の行く末は恐ろしいものになるかもしれない」と、ビジネスやマーケティングの手法が政治の世界に入り込んだことを懸念する。

   ツイッターで民主、共和支持者の間にやり取りはほとんどない。同じ支持者間、とくに共和党支持者同士がひんぱんにやり取りするのが目立つ。米国民の分断が深まっている。

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