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杉並区がん検診の「見落とし」で女性が死亡 あまりにいい加減な医師の診察実態

   東京都杉並区が行ったがん検診で「異常なし」と診断された40代女性が肺がんのため死亡していた。

   森圭介アナ「自治体検診の実態がわかりました」

2人の医師が「影」に気づきながら「異常なし」

   区の発表によると、女性は区内のクリニックで撮った胸部レントゲン写真には影が写っていたという。これを2人の医師が診断したが、1人目の医師は患者1人に時間をかけられないとして2人目に判断をゆだね、2人目の医師は肺に影があるのを認めたものの1人目の方がより専門性が高かったとして、「異常なし」の判定を覆さなかったという。女性は2014年と2015年にもここで検診を受け「異常なし」とされていた。

   区はこのクリニックの検診を中止させ、9424人の検診結果を調べ直したところ、44人に再検診が必要とされ、このうち2人からがんが見つかった。

   日本放射線専門医会の井田正博医師は「胸部レントゲン写真からがんを見つけるのは非常に難しい」と話す。肺だけでなく心臓や血管も写るためで、1000人から2000人に1人は見つかるが、小さなものや部位によっては限界がある。それでも、レントゲンは「見落とす率より発見する率の方が高いので、ぜひ受けて」という。

   レントゲンなら1人30秒から1分で撮影でき、5分から10分かかるCTより簡単だ。費用も多くが個人負担500円に区市町村負担6670円ですむが、CTを人間ドックで受けると2万円の全額自己負担となる。

   榊原郁恵(タレント)「医師が、時間がないからといったことに不安を感じます」

   井田医師「患者数が多く、時間が少ないと、こういうことが起こる。医師2人でのダブルチェックも、お互いに判断をゆだねやすいので、あとで結果をすり合わせるほうがいい」

   司会の加藤浩次「人間ドックのCTが2万円というのは高いと思うなあ」