2019年 7月 23日 (火)

『日ロ平和条約』前のめり安倍首相の危なっかしさ・・・プーチンは「2島を返す約束してない」

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   シンガポールで会談した安倍首相とロシアのプーチン大統領は、1956年の日ソ共同宣言を基礎に、平和条約交渉を加速することで合意した。宣言は「平和条約の締結後に、歯舞、色丹を引き渡す」としている。

   安倍首相は年明け(2019年)には両国間で平和条約の条文作成をスタートし、6月に大阪で開催されるG20までに大枠合意を目指するというが、プーチン大統領は「宣言には2島引き渡しの条件や主権は書かれていない」と語っていて、交渉の行方はまったく見えない。

   NHKの松尾寛モスクワ支局長は「日ロ間で国際的に認められた公式文書は、日ソ共同宣言だけ。日本はようやくそこへ戻ったと、ロシアは考えています」と解説する。かつて日ソ交渉の担当だった元外交官の東郷和彦氏は、「共同宣言に着目したのは大きな意味がある」と評価し、「ここで日本が決断しなければ、プーチンはゼロに戻るだろう」と見る。

返還後の米軍駐留を懸念

   今後の問題はなにか。まず「安全保障」がある。ロシア側の日米安保条約への懸念は強い。返還した島にアメリカ軍が駐留するのではないかと恐れているのだ。プーチン大統領は再三にわたって「極東の安全保障に留意してほしい」と懸念を表明している。4島を非武装地帯とする案まであるという。

   次が主権の問題だ。宣言には「引き渡す用意がある」とあるが、主権については書かれていない。プーチン大統領には、返還でロシア系の島民が島から出ることに抵抗がある。施政権と主権での条件闘争を仕掛けてくる可能性は高い。

   さらに、共同宣言に書かれていない国後、択捉をどうテーブルに乗せるか。ロシアは2島返還で決着、それですら「善意で引き渡す」という立場だ。NHK政治部の岩田明子記者は「共同経済活動、信頼醸成を4島に繋げるのは容易ではない。引き分けの形を見出せるかです」という。

ロシア住民にとってもいまや故郷

   73年前に島を追われた元住民は、平均年齢83歳。望郷の思いが強いとはいえ、島の記憶は幼時の10年前後に過ぎない。一方のロシア側は、戦後生まれにもう孫がいる。彼らにも島は立派な故郷であろう。この人間の問題抜きに、北方領土解決はあるまい。

   *NHKクローズアップ現代+(2018年11月22日放送「新たな局面へ どうなる日ロ交渉」)

文   ヤンヤン
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