2024年 4月 20日 (土)

大病院で相次ぐ「がんの見落とし」 診断態勢の不備から助かる命が失われていく

初めての方ご注目!プロミスなら最短1時間融資でお急ぎでも大丈夫!

専門医不足が深刻、一線を退いた医師に画像を送って点検

   主治医が自分の専門分野だけに目がいき、専門外の臓器に目を向けない傾向もある。中山医師は「専門性が高くなって、一人ですべてを診るのが無理になってきたので、専門外の人にたずねる必要があります」というが、当たり前のことがなかなか進まない。

   千葉大学病院は、電子カルテをチェックして、読まれていない部分に注意をうながすようにした。注意するのは医師ではなく、システム担当の技術職員だ。

   育児などで一線を退いた医師に画像を送って点検してもらう方法もある。実際、関東地方の病院の画像を福岡県で休職中の医師宅に送信している。都心のオフィスビルにつめた医師が各地の病院から送られてくるデータを一括チェックする「画像診断センター」も始動した。AIにがんのさまざまな形を覚えさせるシステムも、2年後の実用化をめざして開発中だ。

   5年間で6人の見落としがあった東京慈恵医大病院は、これまで患者に渡さなかった診断報告書を直接手渡すことを始めた。情報を共有し、医師に聞きやすくすることで見落としを防ぐ一助にする。中山医師は「血液検査と同じ流れです。もれがないか、お互いに指差し呼称することが大事です」と、患者には相談窓口の利用を呼びかける。

   検査結果に疑問があれば、患者は聞く、医師は小さな不安にも対応する、まずそこからということか。もちろん、聞きやすい雰囲気をつくってもらう必要がある。それでも心配は消えないが、お互いに注意網を張り巡らせていく。そのうえでの正確な現状認識と広範な批判、議論がミスを防ぐ。急いでやるしかない。

   ※NHKクローズアップ現代+(2018年12月3日放送「相次ぐ『がん見落とし』 助かる命を失わないために」)

   

   文・あっちゃん

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中