12月6日(2018年)に発生したソフトバンク携帯の大規模通信障害は、現代という時代がいかにシステムに依存し、それが脆弱であるかを知らしめてくれた。
友人と待ち合わせたのに会えない、アイドルのコンサートに紙のチケットがなくて入れないぐらいなら、「ソフトバンクのバカヤロー」と笑っていられるが、実はもっと深刻な事態が起きていたのではないのか。
12月19日にはソフトバンクグループの「ソフトバンク(旧名ソフトバンクモバイ)」の東証1部上場がある。週刊新潮によれば、これで調達できる額は約2兆6000億円に上ると見られているという。スウェーデンやインドネシアの国家予算に匹敵する13兆円という莫大な借金を抱えるソフトバンクグループの孫正義社長にとっては、この上場にケチがつけば死活問題になりかねない。
経済ジャーナリストの町田徹氏は、「孫さんは"あくなき膨張主義"で事業を拡大してきましたが、ここに来てダイエーの末期に似た危うさを感じます」といっている。
このトラブルが孫時代の終わりの始まりになる。そんな予感がしてならない。
週刊文春は、この忙しい時期に、またまた小室圭の話題がトップである。冒頭は、彼がいかに真面目に授業に取り組んでいるかという報告。続いて、先日の秋篠宮の発言が、「お言葉の端々から怒り」がにじみ出ていたと宮内庁関係者に語らせ、圭に、本当に眞子と結婚する意志があるのかと改めて問うたのだとしている。
この記事の新味は、小室家とわずか数キロの距離にあるところに、Yという、昔、小室家で暮らしていたという人物が登場したことである。小室母子が今でも信頼を寄せているY氏は彫金師だそうで、週刊文春の取材に「借金問題というが、本当は贈与じゃないのか」「小室さんに取材をするのは、やめてあげた方が良い」と話したそうだ。
至極真っ当な意見だと思うが、なおも週刊文春は「渡米後も圭さんとスカイプで頻繁に話している」(皇室記者)眞子さんのことや、圭さんが信頼している、現在ロスに在住している国際弁護士・立川珠里亜氏が、テレビの電話取材に「彼は彼女のために立派に弁護士になろうと思っているし(略)人様に何も言われないように、立派に彼女を迎え入れようとしているんじゃないですか?」「彼女は彼の本質が好きなんですよ」と答えたことを、「皇族に対して"彼女"と呼ぶ態度には、違和感を覚えざるを得ません」と、皇室ジャーナリストにいわせている。
私も、圭さんはどこかの時点で会見を開き、眞子さんとの結婚について話すべきだとは思う。だが、このような、重箱の隅を突いて何とか2人を別れさせようとしている週刊誌に、何をいっても無駄のような気もする。
秋篠宮さん、こういう記事は読まないほうが、心の健康のためにもいいと思いますよ。
フライデーは、今年7月(2018年)に農水事務次官に就任した末松広行氏(59)が、部下の女性にハラスメントをしていたと報じている。大量のメールを送ったり、電話を繰り返して、食事に誘っていたというのだ。それも必ず勤務時間外で、時には深夜の2時、3時だったりしたこともあったそうだ。
「仕事の打ち合わせがあるから今すぐ来い」といわれ、彼女は逆らえなかったが、そ うしたハラスメントで、彼女は休職寸前まで追い込まれ、人事部に相談したが、何ら手を打ってはくれなかった。
結局、そうした行為は「末松さんがA子に飽きるまで続きました」(彼女から相談を受けていた親しい同僚)。フライデーの直撃に末松氏は、「全くない」と答えている。
残念ながら、この話は2003年ごろと15年前のことである。たしかに、ハラスメントを受けた側の心の傷が癒えることはないのだろう。だからこそ、事務次官というトップになったのを機に、こうした話が蒸し返されたのではないか。
こうした人間は、同じようなことを、別の人間にもやっていた可能性が高いと思う。フライデーは取材でそれを掘り起こし、証言の裏を取り、再び本人にぶつける。そうした執念深い取材を期待したい。)
週刊文春は片山さつき大臣を連続追及しているが、よくもまあ出てくるものだと感心する。今回は2016年6月16日に名古屋市大須で、片山が愛知県事務所を開いた。その事務所は彼女のスポンサー所有のビルの一部屋だったが、賃料を記載していないというのである。
週刊文春のいうように、片山氏は「スキャンダル創生担当大臣」という肩書にしたらいい。
週刊新潮が、二階俊博幹事長が昨年(2017年)、14億円もの自民党の「機密費」を使っていたことが、政治資金収支報告書が公開されたことで分かったと報じている。このカネは、政策活動費として議員個人に支出された場合、その使い道を公開する義務がないそうだ。
昨年10月の解散総選挙の際、5億円が幹事長に支出されているが、これは、選挙に出る候補者たちに配ったのではないかと推測している。こうしたカネが二階の力の源泉のようだ。
週刊新潮が少し前、広島県から殺処分対象になったワンコをすべて引き取り、里親に渡すNPO「ピースワンコ・ジャパン」が、ワンコたちを劣悪な環境で飼っていること、多くのワンコが死んでいることを報じた。
そこが、先月20日(2018年11月)に、広島県警から書類送検されていたというのである。県警に近い関係者は「怠慢な広島県が主犯で、ピースワンコが共犯」だと話している。ワンコを食い物にしているNPOは、私も許せない。
ジャニーズ事務所に異変が起きていると、週刊文春が報じた。ここには100名近いデビュー組がいるが、一方で、バックダンサーなどを務めるデビュー予備軍の約300名のジュニアがいるそうだ。そのジュニアの中で、1、2の人気を誇る「Love・tune」というグループの7人が、事務所を離脱すると発表したのだ。
ジャニーズ事務所が、SMAPのように、移籍したり独立したりするのを防止するため契約書を交わそうとしたところ、彼らはサインを保留したという。すると、事務所側の対応が激変したそうである。ジュリー社長はこの件で会ってもくれなかったという。結果、7人は退所を公表することを希望して、事務所を出たというのだ。
ジュニアといっても、20代後半の者も少なくないそうだ。これから大量離脱が始まるのかも知れない。
スポーツの話題を3つ。広島の主軸だった丸佳浩(29)が巨人に移籍することが決まった。だが、週刊文春によると、FAで巨人に移籍した選手は24人いるが、平均5年ほどで引退しているという。
カネにあかして他球団のFA宣言をした選手を獲りまくっている原巨人だが、また同じ失敗を繰り返すのではないか。
週刊ポストで元巨人監督の堀内恒夫氏が、「これは補強とはいえない」と手厳しく批判している。その典型が、来季は捕手だらけになるという補強の仕方。阿部慎之助を捕手に戻し、大城もいるし、宇佐美もいる。そこに炭谷まで1億5000万円も払って獲得した。
堀内氏はもっと補強すべきところがあるという。私も同感だが、菅野しかいない投手陣の補強をなぜしないのか。また、堀内氏は「外人選手はギャンブル」だといいきる。日本の野球に合うかどうか、やってみなければわからないし、巨人の外国人選手獲りの下手さは実証済みである。
何を考えているのかわからないチームが、いい成績を上げることはできない。史上最弱といわれる巨人の優勝は来季もなさそうだ。
世界最高峰といわれるアメリカのバスケットボールリーグ(NBA)に、日本人の大器が入るそうだ。ベナン人民共和国の父と日本人の母親の間に生まれた八村塁(20)がそれだ。富山県に生まれ、バスケの強豪・宮城の名成高校へ進学し、全国高校選抜優勝大会で3連覇を成し遂げている。
米国でプレーするために英語の勉強を猛烈にして、現在はアメリカのゴンザガ大学の3年生。全米の大学の強豪が集うトーナメントで、優勝候補のデューク大学を撃破し、優勝した。八村はその中心選手としてMVPを獲得したという。
203センチ、102キロでフォワード。来年6月のドラフトで、上位指名が確実といわれているそうだ。スター選手ともなれば、年棒10億円超の世界。日本人初のスーパースターが誕生するか、楽しみである。
最後は、週刊文春恒例の2018年「ミステリーベスト10」の発表。ミステリー好きとしては楽しみな企画だが、このところハズレが多く、ガッカリすることが多い。去年、国内ベスト1に選ばれた『屍人荘の殺人』は、ゾンビが出てきた時点で本を閉じた。今年はどうか。
国内の1位から5位までは、『沈黙のパレード』(東野圭吾)、『それまでの明日』(原寮)、『ベルリンは晴れているか』(深緑野分)、『雪の階』(奥泉光)、『火のないところに煙は』(芦沢央)。
私は、『それまで・・・』と、7位の『宝島』(真藤順丈)、9位の『凶犬の眼』(柚月裕子)を読んでいる。『それまで』は、期待していたハードボイルド色も薄く、ストーリーも意外性なし。私のお勧めは『凶犬』かな。東野圭吾は読むのが怖い。これほど書き続けて、まだ傑作が書けるのか。そんな不安があるのだ。
海外は、予想通り『カササギ殺人事件』(アンソニー・ホロヴィッツ)、『そしてミランダを殺す』(ピーター・スワンソン)、『乗客ナンバー23の消失』(セバスチャン・フィツェック)、『IQ』(ジョー・イデ)、『監禁面接』(ピエール・ルメートル)。
私は、『カササギ』と『ミランダ』、『許されざる者』(レイフ・GW・ペーション)を読んでいる。『カササギ』はアガサ・クリスティ調の懐かしいミステリーではある。前後半で、ガラッと変わるところなど、意外性もあり、構成力にも優れているのだが、肝心の「核心」が私にはどうもピンとこない。犯人当てというミステリーを読む最大の楽しみが、私には感じられなかった。
冒頭部分はやや冗長だが、『ミランダ』は十分楽しめたし、『許されざる者』もおすすめ。今度は、『数字を一つ思い浮かべろ』を読もうと思っている。
藤田菜七子(21)人気がすごい。先週は週刊文春のカラーページ「原色美女図鑑」に登場した。何しろ、JRAが彼女一人のためにルールを変えてしまったのだから。
騎手は、勝利を重ねるごとに斤量が増えていく。100勝すると、それ以降はゼロになるのだが、これを来年3月から、女性騎手は101勝後もマイナス2キロのアドバンテージを得られるようにしたのである。
JRAは女性騎手の騎乗機会の拡大を図るためだといっているが、現在、中央競馬で対象になるのは藤田ただ一人である。騎手にしては美形で、騎乗技術もそこそこ。これからは、人気者になりたいアイドルたちが、騎手を目指す時代になるのかもしれない。
外国人ジョッキーに歯が立たない日本人の男どもにこそ、3キロぐらいのハンデをあげるべきだと思うのだが。
【絶対当たらない馬券術】
今週は「阪神JF」。シェーングランツとダノンファンタジーの2頭が抜けていると思う。ともにディープインパクトの仔。レースぶりから、ダノンにやや有利か。シェーンが早めに中団馬群に取りつくことができれば互角だが。
Cデムーロのダノンが本命。対抗がシェーン。単穴にクロノジェネシス。△はタニノミッション、メイショウショウブ、トロシュナ、ジョディーまで。GOODLUCK!
元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。
【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか