9日(2018年12月)、カナダ・バンクーバーで行われたフィギュアGPファイナルの女子フリーで、16歳の紀平梨花選手が初出場初優勝の快挙を成し遂げた。しかも、平昌五輪金メダリスト、アリーナ・ザギトワ選手(16)を抑えての栄冠だ。
16歳対決の結末には世界が注目。会見で紀平についての質問が相次ぐと、ザギトワの表情に異変が。場の空気が変わった。
「紀平選手のような強いライバルがいることにどう思いますか?」と記者が聞くと、ザギトワは「答えなくていいですか?」とこわばった顔で回答を拒否した。
ザギトワの敗北に地元メディアでは「ザギトワはもう女王ではない」(Life.ru)、「ザギトワ敗北 日本の新しいスターを前に万事休す」(スポーツRU)と厳しい声が上がっている。2週間前にザギトワにインタビュー取材をしたロシア人記者は「国民はみんな落胆している。国民にとっては彼女がナンバー1であることが当たり前になっている」と話した。
「たくさんの期待があり、神経質になっている」と会見で語ったザギトワ。オリンピック女王の宿命、「重圧」に苦しんでいることを明かした。
一方、平昌五輪では年齢制限に引っ掛かり、同じ土俵に上がれなかった紀平だが、今年(2018年)10月にザギトワについて「今までの経験とか努力は相当なものと思います。本当にすごいという一言。相手のいいなと思う点は取り入れて、自分の演技を見直して改善していきたいです」と話していた。
相手を素直に受け入れ、焦ることなく自分の演技と向かいあってきた紀平。無心の滑りが功を奏したのか。
今後について、フィギュア解説者の佐野稔さんは「ザキトワ選手は紀平選手に勝つためにトリプルアクセルに挑戦する可能性がある。2022年の北京五輪は女子も4回転時代に突入するのでは」と予想する。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「女子フィギュアでは、選手人生のピークがどこにくるかも大事なんでしょうね」
司会の羽鳥慎一「16歳がポイントなのかもしれません」
玉川「ロシアって国は色んな意味ですごいプレッシャーがあるのだろうな。だからあんな表情になってしまう。ザギトワさん、キレイなのに」
羽鳥「厳しい表情でしたよね。『紀平は素晴らしかった』と答えるのかと思ったら、『答えません』と...」