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札幌の大爆発、原因は大量のスプレー缶 なぜ120本ものガス抜きが必要だった?

   札幌市の繁華街で16日(2018年12月)に起きた大爆発の現場から、大量のスプレー缶が回収された。

   不動産仲介業者の従業員は「消臭スプレー缶の120本のガス抜き作業をしていた。手を洗うために、給湯器のスイッチを付けたら爆発した」と話しており、事務所に充満したガスが引火したことで爆発が起きたと見られている。

スプレー缶のガスは臭わないので気づきにくい

   専門家によると、空気中のガス濃度が3.7%から17%に達すると静電気やライターの火が着火源となって爆発にいたる。3.7%とは、3メートル四方の8畳程度の部屋の場合、200ミリリットルのスプレー缶17本分のガスが放出された場合だ。

   従業員が危険な状況に気付きにくかった可能性もある。都市ガスやプロパンガスの場合は、漏れたら分かるように玉ねぎが腐ったような嫌な臭いを付けているが、消臭スプレーの場合は可燃性ガス自体に臭いはないからだ。

   問題は、なぜ使用前のスプレー缶を、しかも大量にガス抜きする必要があったのかだ。この消臭スプレーは、入居者が入る前日に部屋を除菌消臭する目的のもの。不動産仲介業者の別店舗の元従業員は、「店が繁忙期だと客から除菌代を受け取ってもスプレーを忘れることは結構ある」と明かす。

使い切ったことにごまかすため?

   さらに、「実際にサービスを行なったかどうかの確認のため、カラになったスプレーは本部が回収していた。お客さんから料金をもらい、売り上げには消臭スプレーを使ったことになっているのに丸々1本残るのはおかしい。どこかで使い切らないといけない」と話している。

   青木理(ジャーナリスト)「当初は、爆撃を受けたかのような現場の惨状と、スプレー缶という日常性が結びつかなかった。しかし、100本なんて...。まずいでしょう。会社の体制も含め、刑事的な責任を問われるのはやむを得ない」

   玉川徹(テレビ朝日解説委員)「本来は未使用のもの120本も余っているはずがないわけです。ごまかすためにガス抜きをしていた可能性が高い。もしそうなら、個人の責任も大きいのでは」