2019年 10月 17日 (木)

犯罪加害者側の親族がおいこまれる差別と苦痛を、犯罪者の兄とその弟の手紙で浮かび上がらせた佳作
<東野圭吾 手紙>(テレビ東京)

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   亀梨和也の代表作になる良いドラマであった。武島直貴(亀梨和也)は貧しい青年であった。彼の大学進学費用を調達しようとして、兄の剛志(佐藤隆太)が盗みに入り、そこでオルゴールが鳴って、気付かれた家人を殺害してしまう。つまり、直貴は、以後、強盗殺人犯の弟として苦しい差別の海を泳いでゆくことになる。
   行く先々で真面目に働いているのに、強殺犯の弟であるとばれて仕事を失う。ある事業所の社長(小日向文世)は直貴の立場に心を寄せてくれるがどうにもならない。それどころか、恋人の中条朝美(広瀬アリス)は直貴が通う定時制高校の教師だが、大企業の専務(榎木孝明)の娘で、直貴が真面目な青年と認めつつも、土下座して朝美と別れてくれと懇願する。親の気持としては当然だろう。
   切々と弟の人生を心配して獄中から手紙をよこす剛志に、直貴は現状の苦しさを伝えないため、心理的ストレスが極限まで溜まった時に、ついに直貴は以後「手紙も出さない、兄と断絶する」と決心する。朝美の後に直貴を理解して結婚し、支えてくれる妻・白石由実子(本田翼)、バンドに誘ってくれる男、殺された被害者の息子(田中哲司)らは、一様にみんなまともで納得できる人間ばかりなのだが、殺人が引き起こした結果のあらゆる不条理は増幅する。
   最後に刑務所を慰問してただ1度だけ兄の前で歌う亀梨の横顔。原作者の言いたいことが痛いようにわかる佳作ドラマであった。(放送2018日12月19日21時~)

(黄蘭)

採点:1.5
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