2019年 10月 14日 (月)

2018年「世の中を騒がせた週刊誌記事」スクープ連発の名物元編集長が選んだこの10本

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    出版社系初の週刊誌、週刊新潮が創刊されたのは1956年(昭和31年)でした。以来、週刊文春、週刊現代、週刊ポストが次々創刊され、新聞社系の週刊朝日、サンデー毎日など一般男性週刊誌といわれるジャンルが部数を延ばしました。1981年からはFOCUSなどの写真週刊誌も加わり、1990年代は「週刊誌の時代」といわれました。

   大新聞やテレビにできない権力者や芸能人のスキャンダルを柱に、メディア批判、政治や事件、風俗、女優のSEXYグラビアなど、世界に類を見ない誌面作りは「日本の文化」といってもいいと思います。しかし、週刊新潮創刊以来60年以上が経ち、部数漸減により、週刊誌はかつての役割を見失いつつあるように思います。

   そこで不肖私が、独断で2018年の週刊誌の数多ある記事から、括目すべきスクープ、社会の不正義の摘発、時代を見事に切り取った風俗記事など、優れたものを10本選び、編集部員や記者たちの労を称え、時代の記録として残したいと考えました。

   ささやかですが、これが週刊誌復活への一助になれば、望外の幸せであります。

   2018年 大晦日

第10位<日本の医療費が中国人に食い物にされている>(『週刊現代』5月26号)

   これは今の日本が抱える大問題である。嫌中国というような感情論ではなく、早急に政府が手を付けないと大変なことになる。日本の医療費は膨らみ続けているが、その医療費を中国人が「食い物にしている」と週刊現代が報じたのだ。

   日本語がまったく話せない70代の中国人の患者が息子と来院し、脳動脈瘤の手術をした。本来なら100万円から200万円はかかるのに、件の患者は健康保険証をもっていたため、高額療養費制度を使って、自己負担は8万円程度だったという。

   この患者は、日本で働いていたのでも、留学していたわけでもない。こうしたことが大量に行われているとすれば、日本の医療費の構造を根本から見直さなくてはいけないはずだ。

   どうしてこうしたことが起きるのか。法務省によれば、2017年6月時点で、日本の在留外国人の総数は247万人。そのうち中国人は71万人になる。東京23区内でもっとも外国人が多いのは新宿区で、国民健康保険に加入している人は10万3782人で、外国人は2万5326人。4人に1人が外国人なのだ。もちろん正規に就職している外国人労働者もいる。

   だが、例えば、留学ビザを取得すれば、以前は1年間の在留が条件だったが、2012年から3か月に短縮され、資格を持つと国民健康保険に加入する義務がある。これなら、日本で日本語を学びたいといって申請すれば70歳でも80歳でも、取得することができるのだ。

   新宿の住民がよく利用する国立国際医療センターは、明らかに観光なのに保険証を持っている「不整合」なケースが年間少なくても140件ほどあるという。C型肝炎や肺がんの高価な治療薬でも、医療費助成制度を使えば月額2万円が上限になる。

   また、日本で事業をするといえば、3か月在留すれば国保に入ることができる。資本金500万円以上の会社を設立しなければならないが、500万円を一時的に借りて、ビザ申請のためのペーパーカンパニーを立ち上げれば、経営・管理ビザがもらえる。中国にいる知人が病気になったら、その会社の社員にして就労ビザを取得させることもできる。そうしたことを斡旋するブローカーも中国には多くいるそうだ。

   厚生労働省は、偽装滞在の疑いがあれば入国管理局に報告するよう各自治体や医療機関に通達を出しているというが、そんなことで取り締まることはできないはずだ。

   不法にビザを取得し、ただでさえ膨らみ続ける医療費を中国人に使われるのは到底納得できない。不正を排除するためにどうするのか、政府も役所もメディアも動くべきである。

   【寸評】

   これは嫌中記事ではない。日本の医療制度の"欠陥"を指摘した週刊現代が放ったスマッシュヒットである。

   安倍政権は唐突に出入国管理法改正案を提出し、強引に成立させてしまった。労働力不足を外国人労働者で補うというのだが、受け入れるためには、こうした医療問題を含め山積しているさまざまな問題を早急に解決しなければならないはずだ。

   外国人を単なる"労働力"としか考えないのであれば、待遇のひどさや低賃金への不満から、多くが自殺や就労放棄をしている外国人実習生たちと同じになること間違いない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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