2024年 4月 19日 (金)

2018年「世の中を騒がせた週刊誌記事」スクープ連発の名物元編集長が選んだこの10本

第8位タイ<デパートのアダルトグッズ店に殺到した『バイブ女子』の本音>(『週刊ポスト』10月5号)

   大阪・梅田の大丸店が8月22日から9月4日まで、店内にアダルトグッズメーカーの「TENGA」のショップを開いて話題になった。なぜ、こういうおもしろい話を週刊誌はもっと取り上げないのかね。

   大丸側はなぜこういうものを置こうと考えたのか。話題にはなるがイメージを落とすとは考えなかったのか。こういうものも置いてくれと顧客から要求があったのかなど、取材するべきものはたくさんあるはずだ。

   週刊ポストによると、この試みは大成功だったようだ。期間中に約1500人が来店し、売り上げは目標の6倍近い390万円を越えたという。なかでも、オナニーグッズ「iroha」のピンクが喜ばれたというのである。

   実際に、ショップで「iroha」製品を購入したバイブ女子たちが口々にこう語る。「会社終わりに寄って、『iroha』限定カラーを買いました。初体験は17歳でしたが、20代後半までセックスでイクことができなかったんです。でも、オナニーの際にアダルトグッズを使うことで、"自分が気持ちいい場所"が明確にわかるようになり、それをパートナーに伝えることでセックスでもイケるようになりました。日本では女性が自分ですることは恥ずかしい行為だと捉えられがちですが、女性ももっと自分の快感ポイントを知るべきだと思います」(派遣事務・32歳)

   「これまでに別のオモチャを試したことがあったのですが、振動が強すぎて合わなかったんです。でも、『iroha』は振動も優しく、何よりお洒落。手放せなくて、彼氏とのセックスは物足りなくなっちゃうかも。今回はデパートの中で出店してくれたので、入りやすくてよかったです」(美容師・27歳)

   アダルトグッズとの"交際遍歴"をあっけらかんと話なし、デパートでアダルトグッズを買う女性がいるとはね。伊勢丹や高島屋もやったらいいのに。

   第8位タイ<世界初『マスターベーション』大調査-驚きの結果発表!>(『週刊現代』6月16号)

   週刊現代が世界初のマスターベーション大調査というのをやった。日本女性でマスターベーションを経験している率は58%だそうだ。そのとき誰を思い浮かべて致すのであろう。現代によれば、芸能人の定番は福山雅治が一番で、ディーン・フジオカも人気があるそうだ。

   海外では、アメリカ、イギリス、ドイツでブラッド・ピットが必ず3位以内に入っているという。ブラッド・ピットね、ああいうのが好かれるんだ。フーンてなところか。

   第8位タイ<刑務所専門求人誌の募集要項>(『週刊ポスト』5月25号)

   受刑者が出所した後、娑婆に出て困るのは就職先である。前科者として冷たい目で見られ、働くところもなく、また犯罪を起こして刑務所に舞い戻る人間も多い。そのために、刑務所は高齢化が進み、認知症にならないための対策にも力を入れているそうである。

   そこで、出所者の社会復帰を支援するための「刑務所専門の求人誌」が今春創刊されたというのだ。その名も「Chance!!」。全国の刑務所や少年院などに合計800部が配布された。

   求人の多くは中小、零細企業だが、社員400人を超える外食産業もあるという。給与体系も一般と同じで、月給60万円の職場もあるという。募集要項には、「採用できない罪状」というのがあり、殺人、強盗、強姦、覚せい剤などはNGだそうだ。

   福利厚生の充実ぶりをアピールしている拓実建設の柿島拓也社長は、「うちにいるメンバーも最初苦労しますが、仕事にやりがいを感じてくれば、人並み以上に頑張ってくれる面もあります」と話していた。

   こういう取り組みがますます広がることを期待したい。どうかね人材派遣大手のパソナも、こういう人たちへ手を差し伸べては。ガンバれ! 2度と刑務所などへ戻らぬように前科者諸君!

   第8位タイ<満員御礼『シニア向けラブホテル』は何が違うのか>(『週刊ポスト』3月9号)

   少し前までのラブホは若者たちに人気があり、入って酒を飲んだり、大画面でカラオケをやったりしていて、SEXをしなくても楽しめるといわれていた。だが、若者たちが離れ、その代わりに、シニアたちが年金支給日に、夫婦で来たりするようになっているというのである。

   腰の痛い客のために介護用のベッドを導入したり、アルコール飲み放題、ボトルキープもできるラブホまであるという。重い荷物がある時は、「運びましょうか」と声をかける。エアコンやカラオケの操作が分からなければ、部屋まで行って教えてあげる。そのうち、腹上死したらすぐ対応します、というラブホもできるかもしれない。

   そういえば、ずいぶんとラブホにはご無沙汰している。1度行ってみたいが、相手がいないのが悔しい。

   【寸評】

   風俗は週刊誌が果たすべき役割の重要な柱である。後世の人が、2018年に普通の人たちはどんなことをして楽しんでいたのかを知るためには、週刊誌を引っ張り出して読むのが一番いい。

   「週刊誌は時代の目撃者であれ」。それは政治や事件だけではない。庶民の暮らしを書き残しておくことも重要であるはずだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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