2018年「世の中を騒がせた週刊誌記事」スクープ連発の名物元編集長が選んだこの10本
第2位<ろくでもない「財務事務次官」のセクハラ音源>(『週刊新潮』4月19号)
週刊新潮が事務次官のセクハラ発言をスクープした。財務省はいつからこんなろくでもない役所になってしまったものだった。週刊新潮の「財務事務次官のセクハラ音源」を読みながらそう考えた。
福田淳一次官は1982年に東大法学部を卒業して大蔵省へ入っている。週刊新潮によると、福田は入省時点ではトップの評価を受けていなかったというが、よくいわれるように、次官になるのはバリバリ仕事をやる人間ではなく、仕事はそつなくこなすが目立たない、マイナス点のつかない平々凡々とした人間が漁夫の利を得ることが多い。
この福田なる人物、取材に来る女性記者に対してセクハラ的言動がひどくて、「被害者の会ができるんじゃないですか」(財務省職員)といわれていたのだ。
大手紙の記者は、彼氏はいるのかと聞かれ、いると答えると、どれくらいセックスをしているのかといわれた。テレビ局の記者は、深夜に電話があって、ネチネチ過去の男のことを聞かれた。別の大手紙の記者は、「キスしていい?」は当たり前で、ホテルへ行こうといわれた記者もいると話していた。
呆れ果てた言動だが、女性の側も我慢ばかりはしていない。財務省担当の30代の女性記者が、福田に呼び出され、彼の自宅近くのバーでのやりとりを「録音」していたのである。
「抱きしめていい?」「浮気しようね」「胸触っていい?」「手しばっていい?」と、セクハラ発言の連発である。週刊新潮は福田が愛犬と家を出てきたところを直撃した。福田は「何を失礼なことを言っているんだ。誰がそんなことを言っているんだよ!」と開き直る。
この報道について聞かれた麻生財務相は、処分はしないといい張った。麻生や福田は恥の上塗りをしているということがわからない。
【寸評】
2018年最大の大物を辞任に追い込んだ週刊新潮の天晴れなスクープである。こんなことをいったことはないと、シラを切り続けた福田を「セクハラをしらばっくれた『福田次官』の寝言は寝て言え!」(『週刊新潮』4月26号)と追い詰めた。スキャンダル記事のお手本である。