2019年 10月 17日 (木)

2018年「世の中を騒がせた週刊誌記事」スクープ連発の名物元編集長が選んだこの10本

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    出版社系初の週刊誌、週刊新潮が創刊されたのは1956年(昭和31年)でした。以来、週刊文春、週刊現代、週刊ポストが次々創刊され、新聞社系の週刊朝日、サンデー毎日など一般男性週刊誌といわれるジャンルが部数を延ばしました。1981年からはFOCUSなどの写真週刊誌も加わり、1990年代は「週刊誌の時代」といわれました。

   大新聞やテレビにできない権力者や芸能人のスキャンダルを柱に、メディア批判、政治や事件、風俗、女優のSEXYグラビアなど、世界に類を見ない誌面作りは「日本の文化」といってもいいと思います。しかし、週刊新潮創刊以来60年以上が経ち、部数漸減により、週刊誌はかつての役割を見失いつつあるように思います。

   そこで不肖私が、独断で2018年の週刊誌の数多ある記事から、括目すべきスクープ、社会の不正義の摘発、時代を見事に切り取った風俗記事など、優れたものを10本選び、編集部員や記者たちの労を称え、時代の記録として残したいと考えました。

   ささやかですが、これが週刊誌復活への一助になれば、望外の幸せであります。

   2018年 大晦日

第10位<日本の医療費が中国人に食い物にされている>(『週刊現代』5月26号)

   これは今の日本が抱える大問題である。嫌中国というような感情論ではなく、早急に政府が手を付けないと大変なことになる。日本の医療費は膨らみ続けているが、その医療費を中国人が「食い物にしている」と週刊現代が報じたのだ。

   日本語がまったく話せない70代の中国人の患者が息子と来院し、脳動脈瘤の手術をした。本来なら100万円から200万円はかかるのに、件の患者は健康保険証をもっていたため、高額療養費制度を使って、自己負担は8万円程度だったという。

   この患者は、日本で働いていたのでも、留学していたわけでもない。こうしたことが大量に行われているとすれば、日本の医療費の構造を根本から見直さなくてはいけないはずだ。

   どうしてこうしたことが起きるのか。法務省によれば、2017年6月時点で、日本の在留外国人の総数は247万人。そのうち中国人は71万人になる。東京23区内でもっとも外国人が多いのは新宿区で、国民健康保険に加入している人は10万3782人で、外国人は2万5326人。4人に1人が外国人なのだ。もちろん正規に就職している外国人労働者もいる。

   だが、例えば、留学ビザを取得すれば、以前は1年間の在留が条件だったが、2012年から3か月に短縮され、資格を持つと国民健康保険に加入する義務がある。これなら、日本で日本語を学びたいといって申請すれば70歳でも80歳でも、取得することができるのだ。

   新宿の住民がよく利用する国立国際医療センターは、明らかに観光なのに保険証を持っている「不整合」なケースが年間少なくても140件ほどあるという。C型肝炎や肺がんの高価な治療薬でも、医療費助成制度を使えば月額2万円が上限になる。

   また、日本で事業をするといえば、3か月在留すれば国保に入ることができる。資本金500万円以上の会社を設立しなければならないが、500万円を一時的に借りて、ビザ申請のためのペーパーカンパニーを立ち上げれば、経営・管理ビザがもらえる。中国にいる知人が病気になったら、その会社の社員にして就労ビザを取得させることもできる。そうしたことを斡旋するブローカーも中国には多くいるそうだ。

   厚生労働省は、偽装滞在の疑いがあれば入国管理局に報告するよう各自治体や医療機関に通達を出しているというが、そんなことで取り締まることはできないはずだ。

   不法にビザを取得し、ただでさえ膨らみ続ける医療費を中国人に使われるのは到底納得できない。不正を排除するためにどうするのか、政府も役所もメディアも動くべきである。

   【寸評】

   これは嫌中記事ではない。日本の医療制度の"欠陥"を指摘した週刊現代が放ったスマッシュヒットである。

   安倍政権は唐突に出入国管理法改正案を提出し、強引に成立させてしまった。労働力不足を外国人労働者で補うというのだが、受け入れるためには、こうした医療問題を含め山積しているさまざまな問題を早急に解決しなければならないはずだ。

   外国人を単なる"労働力"としか考えないのであれば、待遇のひどさや低賃金への不満から、多くが自殺や就労放棄をしている外国人実習生たちと同じになること間違いない。

第9位<『滝川クリステル』も見限った『ピースワンコ』の捨て犬虐待>(『週刊新潮』9月20号)

   週刊新潮でやった「ピースワンコ・ジャパン」という組織は知っている。私が東日本大震災の取材で4月(2011年)に福島へ行った時、クルマの横にそう書いたワゴン車が来ていて、野良犬を見つけては捕まえて乗せていた。どこから来たのかと聞くと、広島からだというので、ずいぶん遠くから来たものだと感心した。

   週刊新潮によると、広島ではこのNPOの活躍で892日殺処分ゼロ(2018年9月9日現在)が続いているという。ここは里親探しにも奔走していて、都市部の愛犬家たちにふるさと納税で年間数億円の寄付をしてもらっているそうだ。

   いいことずくめのようだが、週刊新潮はこのNPOには表の顔と裏の顔があると取り上げた。今回、ここの悲惨な実態を告発しているのは、2017年6月~2018年1月まで医療サポートに入っていた「れいこスペイクリニック」の竹中玲子獣医師。

   誰でも見学できるシェルターがあり、そこには選別されたフレンドリーな200頭の犬がいて、病気の犬にはスタッフが口元までご飯を運んでくれる。当初は、多くのスタッフが世話している、そのシェルターで働いていたそうだ。

   2か月ほどして、そこから離れた別のシェルターに行ってくれといわれた。そこで驚く光景を見たというのだ。そこの犬の9割以上は人に慣れていない野犬で、劣悪で狭い空間に900頭ばかりが押し込まれていた。

   スタッフは7、8人、フードは1日1回、直径30センチぐらいの皿を20頭に3つ程度置くだけ。満腹にならない犬たちはストレスがたまるため、一部の犬がほかの犬のしっぽを踏んだことで争いになり、全部の犬が弱い犬に「集団リンチ」をして殺してしまうことも多いそうだ。

   なかには、生まれたばかりの子犬を食べてしまうということまで起こるというのだから犬の生き地獄である。

   そのうえ、驚いたことに、ピースワンコは去勢手術を行わない方針なのだ。その代わり、堕胎薬を使うというのである。竹中獣医師はそれを回収してくれるよう頼んだが、叶わなかったという。

   彼女がいた頃も1日100頭の勢いで増えていた。彼女は「これ以上、悲惨な環境に置かれ、無駄に死んでいく犬を増やしてはいけない」と訴える。

   週刊新潮はリンチで無残に殺された犬たちの写真を2枚掲載した。

   【寸評】

   私は今もペットロスが治らない。春に我が家に18年もいた老犬・モエが亡くなった。彼女が亡くなって、私のような年寄りには犬が最高の友だちであることを嫌というほど知らされた。毎日、出がけと帰ってきたときに写真に呼びかけ、月命日には花をあげ、好きだったキャベツを添え、モエの思い出にふける。

   外で似た犬を見かけると後をついていくから、飼い主に嫌な顔をされる。だから、ワンコを殺処分させないという活動をやっているNPOがくれば、すぐになけなしのカネをはたいて寄付するだろう。犬と暮らしたことがある人間ならば、そんな気持ちはよくわかるだろう。

   その犬を食い物にしているNPOがいると、週刊新潮が告発したのだ。この号だけを買った犬好きも多かったのではないか。

第8位タイ<デパートのアダルトグッズ店に殺到した『バイブ女子』の本音>(『週刊ポスト』10月5号)

   大阪・梅田の大丸店が8月22日から9月4日まで、店内にアダルトグッズメーカーの「TENGA」のショップを開いて話題になった。なぜ、こういうおもしろい話を週刊誌はもっと取り上げないのかね。

   大丸側はなぜこういうものを置こうと考えたのか。話題にはなるがイメージを落とすとは考えなかったのか。こういうものも置いてくれと顧客から要求があったのかなど、取材するべきものはたくさんあるはずだ。

   週刊ポストによると、この試みは大成功だったようだ。期間中に約1500人が来店し、売り上げは目標の6倍近い390万円を越えたという。なかでも、オナニーグッズ「iroha」のピンクが喜ばれたというのである。

   実際に、ショップで「iroha」製品を購入したバイブ女子たちが口々にこう語る。「会社終わりに寄って、『iroha』限定カラーを買いました。初体験は17歳でしたが、20代後半までセックスでイクことができなかったんです。でも、オナニーの際にアダルトグッズを使うことで、"自分が気持ちいい場所"が明確にわかるようになり、それをパートナーに伝えることでセックスでもイケるようになりました。日本では女性が自分ですることは恥ずかしい行為だと捉えられがちですが、女性ももっと自分の快感ポイントを知るべきだと思います」(派遣事務・32歳)

   「これまでに別のオモチャを試したことがあったのですが、振動が強すぎて合わなかったんです。でも、『iroha』は振動も優しく、何よりお洒落。手放せなくて、彼氏とのセックスは物足りなくなっちゃうかも。今回はデパートの中で出店してくれたので、入りやすくてよかったです」(美容師・27歳)

   アダルトグッズとの"交際遍歴"をあっけらかんと話なし、デパートでアダルトグッズを買う女性がいるとはね。伊勢丹や高島屋もやったらいいのに。

   第8位タイ<世界初『マスターベーション』大調査-驚きの結果発表!>(『週刊現代』6月16号)

   週刊現代が世界初のマスターベーション大調査というのをやった。日本女性でマスターベーションを経験している率は58%だそうだ。そのとき誰を思い浮かべて致すのであろう。現代によれば、芸能人の定番は福山雅治が一番で、ディーン・フジオカも人気があるそうだ。

   海外では、アメリカ、イギリス、ドイツでブラッド・ピットが必ず3位以内に入っているという。ブラッド・ピットね、ああいうのが好かれるんだ。フーンてなところか。

   第8位タイ<刑務所専門求人誌の募集要項>(『週刊ポスト』5月25号)

   受刑者が出所した後、娑婆に出て困るのは就職先である。前科者として冷たい目で見られ、働くところもなく、また犯罪を起こして刑務所に舞い戻る人間も多い。そのために、刑務所は高齢化が進み、認知症にならないための対策にも力を入れているそうである。

   そこで、出所者の社会復帰を支援するための「刑務所専門の求人誌」が今春創刊されたというのだ。その名も「Chance!!」。全国の刑務所や少年院などに合計800部が配布された。

   求人の多くは中小、零細企業だが、社員400人を超える外食産業もあるという。給与体系も一般と同じで、月給60万円の職場もあるという。募集要項には、「採用できない罪状」というのがあり、殺人、強盗、強姦、覚せい剤などはNGだそうだ。

   福利厚生の充実ぶりをアピールしている拓実建設の柿島拓也社長は、「うちにいるメンバーも最初苦労しますが、仕事にやりがいを感じてくれば、人並み以上に頑張ってくれる面もあります」と話していた。

   こういう取り組みがますます広がることを期待したい。どうかね人材派遣大手のパソナも、こういう人たちへ手を差し伸べては。ガンバれ! 2度と刑務所などへ戻らぬように前科者諸君!

   第8位タイ<満員御礼『シニア向けラブホテル』は何が違うのか>(『週刊ポスト』3月9号)

   少し前までのラブホは若者たちに人気があり、入って酒を飲んだり、大画面でカラオケをやったりしていて、SEXをしなくても楽しめるといわれていた。だが、若者たちが離れ、その代わりに、シニアたちが年金支給日に、夫婦で来たりするようになっているというのである。

   腰の痛い客のために介護用のベッドを導入したり、アルコール飲み放題、ボトルキープもできるラブホまであるという。重い荷物がある時は、「運びましょうか」と声をかける。エアコンやカラオケの操作が分からなければ、部屋まで行って教えてあげる。そのうち、腹上死したらすぐ対応します、というラブホもできるかもしれない。

   そういえば、ずいぶんとラブホにはご無沙汰している。1度行ってみたいが、相手がいないのが悔しい。

   【寸評】

   風俗は週刊誌が果たすべき役割の重要な柱である。後世の人が、2018年に普通の人たちはどんなことをして楽しんでいたのかを知るためには、週刊誌を引っ張り出して読むのが一番いい。

   「週刊誌は時代の目撃者であれ」。それは政治や事件だけではない。庶民の暮らしを書き残しておくことも重要であるはずだ。

第7位<山口達也が女子高生連れ込んでチューした犯行現場-強制わいせつで書類送検>(『フライデー』5/18号)

   4月26日のフジテレビ系の「とくダネ!」を見ていて、まだこんなことをやっているのかとあ然とした。「TOKIOの山口達也メンバーを警視庁が強制わいせつ容疑で書類送検した」というニュースの「山口達也メンバー」といういい方だ。テレビ朝日系の「モーニングショー」でも同じいい方をしていた。驚いたことに朝日新聞も同様である。

   覚えておいでの方もいるだろう。2001年8月、SMAPの稲垣吾郎が公務執行妨害と道路交通法違反の現行犯で逮捕されたことがあった。テレビ局は、ジャニーズ事務所側の強い「要請」により、稲垣容疑者ではなく稲垣メンバーなる不可解極まりない呼び方をしたのである。

   私の友人の芸能レポーター・梨元勝(故人)は、当時出ていたテレビ朝日の番組で稲垣のことは喋らないでくれといわれ、激怒して出演拒否をし、その後、テレビから疎まれ、活躍の場をネットへと移すことになった。当時はまだジャニーズ事務所の力が強かったが、もはや事務所の威光も下り坂なのに、何でこんなことをまだやっているのか。

   報道の内容も不可解だった。「山口達也(46)が自宅マンションで女子高生に無理やりキスをするなどしたとして」(スポーツニッポン)、警視庁が強制わいせつ容疑で書類送検したという。

   女子高生は友人と2人で山口の部屋を訪れ、被害に遭った女子高生は逃げて母親に電話をし、母親が来て助け出したそうだ。山口と女子高生はNHKの「Rの法則」で知り合ったという。山口に誘われ家に行ったのだろうが、今の女子高生がキスをされたぐらいで逃げ回るとは思えないし、今の時代、「キス」が強制わいせつだとは警察だって考えないはずだ。警視庁捜査1課は書類送検したのだから、山口容疑者ではないのか。

   その山口達也が涙の記者会見を行ったが、芸能記者たちはジャニーズ事務所へ忖度して、強制わいせつの実態について突っ込むことはなかった。始まる前に山口の弁護士が、被害に遭った女子高生の両親からの手紙を読み上げた。その中に「今回、娘が被ったことは親としては決して許せるものではありません」という文言があった。キスぐらいでこういう書き方はしない。それなのに、記者たちは故意にそれを無視したのだ。

   週刊誌がGW合併号に入る時期に、こうした不祥事の会見をやるのは芸能事務所の常とう手段である。週刊新潮、週刊文春なら「山口達也が女子大生にやった強制わいせつの実態」と銘打ってやるのだろうが、あいにく、次の発売はGW休刊あけの5月9日であった。

   「とくダネ!」の司会の小倉智昭は、読売新聞だけが山口容疑者と書いたと紹介し、隣のコメンテーターが容疑者と書いてもいいと思いますがと重ねたが、小倉のなぜメンバーにするのかの説明は何をいっているのかよくわからないままだった。推測するに、視聴者から相当な数の批判の電話やメールが来たのであろう。

   山口も涙を流して謝罪すれば、そのうちTOKIOのメンバーに復帰できるという甘い考えだったのか。年の瀬に、世の中そんな甘くないということを嫌というほど知ったことだろう。

   【寸評】

   2018年も芸能界発のスキャンダルも多かった。ジャニーズ事務所のタレントたちが世を騒がせた。このTOKIOの山口スキャンダルは破壊力満点だった。紅白歌合戦の常連で、NHK・Eテレの情報番組の司会をやっていた山口が、アル中で、女子高生に強制わいせつ容疑で書類送検されたというのだから。

   これはフライデーの独自スクープではない。警察沙汰になったためNHKが速報を流し、すべての週刊誌、テレビ、大新聞までが報じた。

   相も変わらず、ジャニーズ事務所に忖度して、テレビや新聞までが「山口メンバー」と訳の分からない肩書をつけて呼んでいたが、これは間違いなく、ジャニーズ事務所の終わりの始まりを象徴する事件であった。

第6位<靖国神社トップ「皇室批判」の波紋>(『週刊ポスト』10月12・19号)

   「陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていくんだよ。そう思わん? どこを慰霊の旅で訪れようが、そこには御霊はないだろう? 遺骨はあっても。違う? そういうことを真剣に議論し、結論を持ち、発表することが重要やと言ってるの。
はっきり言えば、今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ。わかるか?」

   こういい放ったのは、今年3月に第12代靖国神社宮司に就任した小堀邦夫(68)である。6月20日、創立150周年に向けて「教学研究委員会」を組織し、第1回の会議には、小堀以下、ナンバー2、職員など10人が出席したと当日の議事録に残されているという。週刊ポストはその時の音声テープを入手して伝えた。

   小堀の刃は次の天皇になる皇太子夫妻にも向けられた。「あと半年もすればわかるよ。もし、ご在位中に一度も親拝(天皇が参拝すること)なさらなかったら、今の皇太子さんが新帝に就かれて参拝されるか? 新しく皇后になる彼女は神社神道大嫌いだよ。来るか?」

   由々しき発言である。自分たちがやったことを顧みず、天皇が参拝しないのはおかしいとでもいうような言動は、時代錯誤とでもいうべきものである。

   富田朝彦元宮内庁長官のメモによれば、靖国にA級戦犯が合祀されたことを昭和天皇は嫌い、「だから、私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と語ったといわれる。最近は、安倍首相でさえも、国際社会に配慮して、靖国参拝をしない。

   天皇に参拝して欲しければ、すぐにA級戦犯の合祀を取りやめることだ。非道な戦争へと駆り立てた人間たちと、そのために貴い命を捧げた兵士たちを、一緒に祀るべきではない。世の右傾化で、そうし当たり前のことが、議論もされず、放置されたままだから、こういう人間が勝手なことをいって、周りもただ聞いているだけなのだろう。

   しかし、あまりにも右に寄り過ぎた風潮は、安倍や麻生などの退場により、揺り戻しが必ず来る。私はそう考えている。

   【寸評】

   週刊ポストの見事なスクープである。小堀邦夫宮司はこの発言の責任をとって辞任した。当然であろう。平成が終わり、新しい元号になるとき、靖国神社をこのまま放置せず、どうするのかを考える時だと思う。私は、大東亜戦争の戦犯たちの遺骨は別に移すべきだと思う。

第5位<「黒田課長」のつつましい夕食>(『週刊新潮』3月1号)

   この週刊誌新潮のグラビアは今年ナンバー1のショットではないだろうか。やや頭が禿げ上がって、生活に疲れた中年男が、一膳めし屋で一人食事をしている。1枚の写真がすべてを語るとは、こういうことをいうのだ。天晴れである。私も時々、こうした店で食事を取ることがある。じっと見ていると私ではないかと思えてくる。よく似ている。

   この人の名は黒田慶樹さん(48)といって、東京都建設局の担当課長である。妻はサーヤこと黒田清子さん。尊いお方と結婚して早12年が経つ。妻が昭和天皇の四女池田厚子さんから伊勢神宮の祭主を引き継ぎ、神事とその準備で忙殺され家を空けることが多いそうで、夕食は一人で取ることが多いようだ。

   美智子皇后の83歳の「お祝い御膳」には、妻の清子さんだけが出席し、黒田さんは残業を理由に欠席したそうだ。もしや別居生活? 週刊新潮の問いかけにも、「取材はご遠慮いただいている」と、丁寧だがきっぱり拒否したそうである。

   秋篠宮眞子さんと結婚予定の小室圭さんがこの写真を見たらどう思うのだろうか。聞いてみたいものだ。

   【寸評】

   なにも付け加えることがない。何万語を費やしても一葉の写真には適わない。写真週刊誌にこういう写真が毎週出ていたら、今ひとたび100万部も夢ではないだろう。

第4位<「イッテQ」は宮川大輔「祭り企画」をデッチあげた>(『週刊文春』11月15号)

   日本テレビ系の「世界の果てまでイッテQ!」は、2007年に始まり12年には年間視聴率1位を獲得した人気番組である。現在も20%超の視聴率を誇り、4年連続、視聴率3冠を続ける日テレの顔といえる存在だそうだ。内村光良をメイン司会に、ジャニーズの手越祐也、イモトアヤコらが体当たりの海外ロケに挑むバラエティで、2011年に「イモトが挑む南米大陸最高峰アコンカグア登頂スペシャル」は、放送文化の発展と向上に貢献したとして、ギャラクシー賞を受賞している。

   この番組のモットーは「ウソとヤラセの完全排除」だそうだが、週刊文春が同番組で「ウソとヤラセがあった」と報じた。5月20日に放送された「橋祭りin ラオス」がそれである。「イッテQ」の中の人気企画で、芸人の宮川大輔が世界各地で行われている祭りに突撃参加して、その模様を伝えるというものだ。

   ロケ地はラオスのビエンチャン。年に1度開かれる橋祭りは、全長25メートルの細い板(これを橋に見立てている)の上を自転車で渡るのだが、4つの球が回転していて、これに衝突するとたちまち泥水に落下してしまうというものだ。20人の参加者による勝ち残り方式。VTRでは会場の盛り上がりも紹介しながら、「町中の人が集まってきた」というナレーションが入っている。

   だが、この地に赴任して数か月という日本人駐在員が、こんな祭りを聞いたことはないし、周りのラオス人も誰も知らない。そもそもこの地域ではバイクには乗るが自転車に乗る人はあまりいない。「視聴者だけでなくラオス国民を馬鹿にした」番組だと週刊文春に告発した。駐日ラオス大使館に問い合わせたが、そんな祭りは聞いたことがないという。早速、週刊文春は現地へ飛んだ。

   現場はビエンチャンの中心から徒歩10分の、乾期で干上がってできたメコン川の河川敷。結論でいうと、行われていたのはラオス産のコーヒーを宣伝する「コーヒーフェスティバル」で、その隅っこで、番組のスタッフが設営し、撮影したものだったそうだ。

   コーヒーフェスの実行委員たちは、日本のテレビ局が自転車のアクティビティをやりたがっていると連絡があり、自転車と障害物のボールはテレビ側が用意したと話し、「イッテQ」の映像を見せると「フェイクだね」と断言したのである。

   テレビ側は参加した若者たちに、1位は日本円にして1万7000円、2位以下にも現金や撮影で使った自転車をあげていた。ヤラセなどではなく、架空の祭りをでっち上げ、視聴者にウソをつき、ラオス国民を侮辱したといわざるを得ない。

   これを手掛けたバンコクを拠点に通訳やコーディネートしている社の日本人社長は、「橋祭りはラオスで行われている」と強弁し、日テレ広報部も「橋祭りはメコン川流域などでかねてから行われている催しで、地元のテレビ局などでもとりあげられております」と、週刊文春に回答している。

   これまでもテレビは、数々のヤラセやでっち上げをして謝罪に追い込まれ、番組が打ち切りになってきた。だいたいメディアというのは攻めに強く守りに弱い。

   【寸評】

   テレビは視聴率がよければ、それを維持しようと、ありもしないことをデッチアゲ、バレると下請けのせいにする。この事件も、第一報では強気だった日テレ側も、第2弾「『イッテQ!』手越祐也カリフラワー『祭り』にもデッチ上げ証言」(『週刊文春』11月22号)が出ると、あっさり降参した。週刊文春の取材力を軽視していたのではないか。

   番組を止めるのかと思ったら、祭りコーナーだけを休止して、存続させてしまった。長年、視聴率首位を走ってきたフジテレビが、信じられないような凋落ぶりである。対応を間違えると、日テレもフジの二の舞になる。

第3位<女子レスリング伊調馨「悲痛告白」>(『週刊文春』3月8号)

   女子レスリングで史上初の五輪4連覇を成し遂げ、国民栄誉賞を授与された伊調馨(33)が、恩師・栄和人強化本部長(57)から「陰湿なパワハラ」を受けていたことを内閣府の公益認定等委員会に告発していたと、週刊文春が報じて大騒ぎになった。

   告発理由は3つあった。一つは伊調が師事するコーチに対する不当な圧力。二つ目は伊調の男子合宿への参加禁止。三つ目は伊調がリオ五輪まで練習拠点としていた警視庁レスリングクラブへの出禁処分だ。

   伊調が東京五輪へ向けて練習しなければいけないのに、練習する場を奪い取っているのは、「明らかに伊調馨のオリンピック五連覇を阻止するという策動」だという記述があった。

   国民栄誉賞受賞者を、いくら憎み合っても、恩師が邪魔できるのだろうか。栄は、スキンヘッドがトレードマークで、これまで吉田沙保里をはじめ6人の金メダリストを輩出している名コーチである。

   週刊文春の直撃に栄は、「東京五輪に出たければ出ればいいだけの話」「なんで俺が一選手に悩まされなきゃいけないのか」と嘯いた。コーチの中には、コーチした選手が活躍すると、自分も同じように偉くなったと錯覚する人間がいる。東京五輪まで時間がない中、メダルの金城湯池である女子レスリング界に起きた醜聞が、どういう結着を見るのかまだ予断を許さない。

   【寸評】

   ことしほどスポーツ界の醜聞が多く飛び出した年はないだろう。

   その最初が、国民栄誉賞を受賞した伊調が告発した栄監督のパワハラだった。その後、日本大アメフト部の傷害事件、日本ボクシング協会を私している山根会長のパワハラと暴力団との深い関わり、体操界を揺るがした塚原夫妻のワンマンぶりなど、次々に明るみに出てくるのである。

   こうした問題は週刊誌の独壇場である。週刊文春の取材力には何度も驚かされた。スポーツ界のスキャンダルは、大新聞やスポーツ紙は事件化しなければ書かない。

   これらのスキャンダルも、週刊誌が追及しなければここまで追い込めなかったであろう。

   栄監督も粘り腰を見せたが、FLASHが栄はキャバクラで豪遊していたと報じたため、辞任に追い込まれた。週刊誌畏るべし。

   伊調は復帰した天皇杯全日本レスリング選手権で17年ぶりに負けはしたが、決勝戦では見事に勝利して復活をアピールした。

第2位<ろくでもない「財務事務次官」のセクハラ音源>(『週刊新潮』4月19号)

   週刊新潮が事務次官のセクハラ発言をスクープした。財務省はいつからこんなろくでもない役所になってしまったものだった。週刊新潮の「財務事務次官のセクハラ音源」を読みながらそう考えた。

   福田淳一次官は1982年に東大法学部を卒業して大蔵省へ入っている。週刊新潮によると、福田は入省時点ではトップの評価を受けていなかったというが、よくいわれるように、次官になるのはバリバリ仕事をやる人間ではなく、仕事はそつなくこなすが目立たない、マイナス点のつかない平々凡々とした人間が漁夫の利を得ることが多い。

   この福田なる人物、取材に来る女性記者に対してセクハラ的言動がひどくて、「被害者の会ができるんじゃないですか」(財務省職員)といわれていたのだ。

   大手紙の記者は、彼氏はいるのかと聞かれ、いると答えると、どれくらいセックスをしているのかといわれた。テレビ局の記者は、深夜に電話があって、ネチネチ過去の男のことを聞かれた。別の大手紙の記者は、「キスしていい?」は当たり前で、ホテルへ行こうといわれた記者もいると話していた。

   呆れ果てた言動だが、女性の側も我慢ばかりはしていない。財務省担当の30代の女性記者が、福田に呼び出され、彼の自宅近くのバーでのやりとりを「録音」していたのである。

   「抱きしめていい?」「浮気しようね」「胸触っていい?」「手しばっていい?」と、セクハラ発言の連発である。週刊新潮は福田が愛犬と家を出てきたところを直撃した。福田は「何を失礼なことを言っているんだ。誰がそんなことを言っているんだよ!」と開き直る。

   この報道について聞かれた麻生財務相は、処分はしないといい張った。麻生や福田は恥の上塗りをしているということがわからない。

   【寸評】

   2018年最大の大物を辞任に追い込んだ週刊新潮の天晴れなスクープである。こんなことをいったことはないと、シラを切り続けた福田を「セクハラをしらばっくれた『福田次官』の寝言は寝て言え!」(『週刊新潮』4月26号)と追い詰めた。スキャンダル記事のお手本である。

第1位<小室哲哉"裏切りのニンニク注射">(『週刊文春』1月25号)

   週刊文春砲がさく裂した。J-POPシーンを創り上げた音楽プロデューサー・小室哲哉(59)の不倫である。相手は、以前からニンニク注射を打ってもらっていた看護師というのだから、注射を打ってもらって、今度は小室が彼女に注射を打っていたという話のようだ。

   だが、事はそう簡単ではなかった。華原朋美を含め、過去にさんざん浮名を流してきた小室だが、2002年にglobeのボーカル、KEIKO(45)と再婚している。結婚式には5億円かけたそうだが、KEIKOをクモ膜下出血が襲って以来、6年の間はリハビリに取り組むKEIKOを小室は傍らで支え、メディアの取材にも「僕にはこの人しかいない」「彼女に寄り添いたい」と献身を語ってきた。

   ところが、「小室とA子さんの出会いは数年前、彼女が看護師として勤めていたクリニックで、ビタミンB1を主成分とする"ニンニク注射"を受けたときに遡る。やがて小室のスタジオ、そして自宅に彼女を呼んで個別に接種を受けるようになり急接近。患者と看護師だったはずの関係が、いつしか男女の仲へと発展した」(週刊文春オンラインより)

   リハビリ中の妻を実家に行かせて、その間に女性を引っ張りこむ。これは一番まずいパターンだ。かつては音楽界の帝王といわれた小室は、事業の失敗から借金を重ね、ついには詐欺罪で逮捕されて、懲役3年(執行猶予5年)の有罪判決を受けた。そのどん底の小室を支えたのはKEIKOであった。その心労がたたり、病に襲われたのではないのか。その妻を裏切ったのだ。

   私は小室のファンではないが、同時代に一人の男の栄光と挫折を見せてもらった。何となく「哀れ」な不倫物語である。

   週刊文春の記事が出てすぐに、小室が記者会見を開き、この業界から引退すると発表した。妻KEIKOの病状も語り、時には涙を見せていた。この会見の後ぐらいから、SNSで「クソ文春」などという週刊文春批判が巻き起こり、私のところへも、女性セブンと東京新聞から取材の電話があった。

   私の考えはこうだ。「週刊誌は創刊以来、不倫を含む『スキャンダル』と『メディア批判』は大きな柱。けしからんという声は昔からあったが、そこは揺るがない。週刊文春だって引退させたいと思っていたわけではないだろうし、多少の批判で撤退するほど週刊誌はやわじゃない。これだけ不倫報道が注目されるなら、今後も情報が手に入れば不倫報道は続くだろう」

   おそらく週刊文春は、ベッキーの不倫で、こうしたもののおいしさがわかったのだろう。1粒で2度おいしいのが不倫報道である。不倫報道→当人の謝罪または否定会見→否定すればそれに対しての反論報道と、一つの話で何回もやることができる。

   それには週刊文春の読者の半分が女性だということもある。女性は不倫報道に関心が強い。週刊新潮が乙武の5人不倫を掲載したが、部数はほとんど動かなかったのは、女性読者が少ないからである。

   <「小室哲哉は許せない」KEIKO 親族怒りの告発>(『週刊文春』7月12号)では、グラビアに、マスクをしているが、紀ノ国屋の袋を持ち、にこやかに笑っている女性が載っている。キャプションに「私は元気です by KEIKO」とある。親戚も「元気で体操教室に通っている」と話している。

   あれ~、彼女はくも膜下出血を発症してリハビリ中で、小学校4年生の漢字ドリルをやるレベル程度にしか戻っていないと、小室は涙ながらにしゃべっていなかったかと、週刊文春は嘘を暴いた。

   推測するに、不倫報道の多くは、当事者の周辺にいる人間からのタレコミであろう。「あんなことをしている人間は許せない」「奥さんがかわいそう」などという動機から、「文春ならやってくれるだろう」と連絡をするのだ。

   不倫報道などするな? 週刊誌というものは、くだらない不倫や、つまらない安倍批判や、最低の大相撲など、新聞やテレビがやらない、できないことをやるのだ。そこを無視した批判などに、ビクともしないはずだ。

   【寸評】

   この2本の記事がすごい。第1報の後、小室が泣きながら会見を開き、これからは妻と一緒に生きていくといったため、「小室が可哀想だ」と、週刊文春への批判の声があちこちから上がった。

   週刊文春も戸惑ったに違いない。だが、週刊文春は半年かけて、小室のいい分が本当かどうか検証したのである。これってなかなかできないことだ。

   故郷に帰って順調に回復してきているKEIKOの元気な姿を写真に撮り、小室の嘘を完膚なきまでに暴いた。何の根拠もなく汚された"誇り"を、再取材することで見事晴らして見せたのである。

   週刊文春を敵にしたら怖い。多くのすねに傷を持つ芸能人や文化人を震え上がらせたに違いない。スキャンダルの大きさでは週刊新潮の福田事務次官の記事が勝るとは思うが、週刊誌の矜持を見せてもらったということで、こちらを1位にした。

残念なスクープ記事たち

   1年間、週刊誌は挙って秋篠宮眞子さんと小室圭さんについて報じた。週刊女性に端を発したスキャンダルだが、どこの誰ともわからない元婚約者の話と、宮内庁や秋篠宮家の関係者の談話ばかりで、真実性に乏しいと思わざるを得ない。

   週刊新潮の爆笑問題・太田光の日大裏口入学問題は話は面白いが、どこまで裏をとった話なのか疑問が残った。同じく週刊新潮の「タモリの最後の愛人」の記事は、週刊新潮ともあろうものが、当事者取材もなく、腰が引けた内容だった。事務所からの圧力があったのだろうか。

   やはり週刊新潮。<「地面師マネー」に汚染された警視庁の「黒い警視」!?>(『週刊新潮』11月1号)は、事実だとすれば重大な問題だが、私にはこれを事実だと判断する何ものもない。

   週刊文春は<貴乃花親方を引退に追い込んだ相撲協会の吊し上げ>(『週刊文春』10月4号)など、貴乃花に密着して、彼のいい分を十二分に取り上げてきたが、残念なことに、突然の引退発表、景子夫人との離婚をスクープできなかったため、マイナス点。

週刊誌はまだまだ元気だ!読ませた番外記事

   ベスト10には入れなかったが、面白く読んだ記事を上げておきたい。さわやかなスクープとでもいおうか。<角界一の色男「勢」がガチンコで接吻した「美人ゴルファー」>(『週刊新潮』7月5号)

   公になっているデータのなかからどれを選んでくるのか、編集者の視点がいい。<製薬会社から謝礼貰って原稿執筆する医師350人全実名>(『週刊ポスト』8月10号)

   この動画を見て、彼女の違反のひどさを実感させられた。<吉澤ひとみ「ドラコレ」に記録されたひき逃げ動画>(『フライデー』9月28号)

   タイトルもうまかったのは、<バドミントン「桃田賢斗」と「美貌選手」の「夜這いシャトル」事件>(『週刊新潮』10月18号)

   産経新聞の情報公開請求で、片山さつき大臣が2015年9月に関東信越国税局に何らかの問い合わせの電話をしていたことが判明した。<片山さつき大臣国税口利きで百万円、証拠文書入手!>(『週刊文春』10月25号)。だが、政治家としては小物だな。

   (ここに掲載した各々の記事はJ-CASTから転載したものです)

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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