機械的な物語設定こそがテーマであるかもしれないと予測してみると、「不可解」が「不安」へと変貌していく。ヴァイデルに成りすましたゲオルクやマルセイユの難民たち――誰がどこからやって来たか分からない未来と、将来起こりうる難民への抑圧の恐怖の予感が、この過去・現在・近未来が入り混じった映画に流れている。
ドイツ軍が侵攻し、難民たちの未来が分岐点を迎えるクライマックスに、ゲオルクとマリーのラブロマンスが絶頂を迎える悠長な展開は、驚きも落胆もなく、むしろ、この不可思議な映画では必定であっただろう。
☆☆☆ 丸輪太郎
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