2024年 4月 25日 (木)

〈未来を乗り換えた男〉
現代のフランスを舞台にドイツのファシズムが広がる奇天烈な映画 物語設定と時代設定がアンバランスで中途半端だ

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難民抑圧の恐怖が過去・現在・近未来に流れている

   機械的な物語設定こそがテーマであるかもしれないと予測してみると、「不可解」が「不安」へと変貌していく。ヴァイデルに成りすましたゲオルクやマルセイユの難民たち――誰がどこからやって来たか分からない未来と、将来起こりうる難民への抑圧の恐怖の予感が、この過去・現在・近未来が入り混じった映画に流れている。

   ドイツ軍が侵攻し、難民たちの未来が分岐点を迎えるクライマックスに、ゲオルクとマリーのラブロマンスが絶頂を迎える悠長な展開は、驚きも落胆もなく、むしろ、この不可思議な映画では必定であっただろう。

☆☆☆
丸輪太郎

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