2019年 7月 20日 (土)

10歳少女の「虐待死」をなぜ防げなかったか? 浮かび上がる児童相談所の限界

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   千葉県野田市で10歳の少女が自宅で死亡していた事件で、警察は、父親による虐待の疑いがあるとみて調べている。一方児童相談所などが28日(2019年1月)会見して、「そこまで重篤だと思わなかった」と話したが、専門家は、児童相談所に虐待問題を扱わせるのは無理だと、システムそのものの不備を指摘する。

近所の人は「ぎゃー」「死ね」という怒号を聞いていた

   なくなったのは、小学4年生の栗原心愛(みあ)さん。今月24日、自宅の浴室で死んでいるのを、父親の通報で駆けつけた警察官が確認した。心愛さんは、冷水のシャワーをかけられており、警察は父親の栗原勇一郎(41)を傷害容疑で逮捕、送検した。調べに「しつけだった」と言っている。

   しかし、近所の話では、子供の「ぎゃー」という泣き声と、父親の「うるさいんだよお前は」「死ね」「殺してやる」などの言葉を聞いていた。しかし、これが通報されることはなかった。

   一家は、夫婦と心愛さん、1歳の次女の4人暮らし。一昨年(2017年)9月、沖縄から移ってきたが、学校でのアンケートに心愛さんが「父にいじめられている」と書いたことから、柏児童相談所が面談。頬に傷があったほか父親への恐怖を訴えたため、1か月半保護していた。

   この間相談所は8回、父親らと面接を行い、12月末に保護を解除したが、自宅ではなく親族の家に置かれた。翌年(2018年)1月、野田市内の小学校へ転校した後、同3月に自宅へ戻した。相談所はその後、面接も家庭訪問も行わなかった。

   心愛さんは学級委員長を務めるなど、優しい子だったというが、今月7日から学校を欠席していた。父親は、「曾祖母が病気なので、沖縄にいる」と言っていたが、24日、自宅で死んでいるのが見つかった。司法解剖されたが、死因は不詳だ。

虐待が巧妙化、父親から引き離せ

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   昨日の会見で児童相談所などは、「そこまで重篤だとはわからなかった。暴力がなくなれば、お父さんと暮らしたいと言っていた。対応に不足していた」と手落ちを認めた。

   加藤浩次(キャスター)「4か月で父親の元へ戻した。これをどう考えるか」

   家族問題カウンセラーの山脇由貴子さんは、「子供はSOSを発すれば、もっとひどいことになるとわかっている。だからSOSは必死の叫びなんですが、加害者は、必ず否定する。見極めるのは難しい」という。

   山脇さんはまた、「児童相談所は、いじめを扱う専門機関ではない。職員も異動のある公務員で、福祉士が専門家でない場合もある」という。

   長期欠席の場合、親は「親戚のところへ行っている」というのが常套句で、それを聞いたら「危ないなと思わないといけない」とも言ったが、専門家でないとわからない。「相談所は、相談機関なんです。虐待を扱う専門機関が必要です。また専門家の養成には最低1年はかかる」

   ロバート・キャンベル(東大名誉教授)「虐待が巧妙化している。切り離すべきは、父親ではないのか」

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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