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「レンタルなんもしない人」に依頼次々!公園で私を見てて、カラオケ黙って聞いて、蕎麦屋に付き合って・・・

   何もしない人をレンタルするというサービスがあるそうだ。東京都内に住む35歳の男性が「『レンタルなんもしない人』というサービスを始めます!」とSNS上に告知したところ、フォロワー数が7万人を超え、500件以上の依頼が来た。「スッキリ」がこの男性に1か月間、密着してみると・・・。

   「レンタルなんもしない人」は、簡単な受け答えと飲み食い以外は何もしない。"レンタル料"は無料で、東京・国分寺駅からの交通費と飲食代などの諸経費は依頼者が負担する。

企業からは「マンネリ防ぎたい」と会議出席要請

   正月4日(2019年)は、「公園で通勤する人に向かって挨拶をしたいので、そこにいて見守ってほしい」という30歳の保育士の女性の依頼で、東京・吉祥寺へ出かけた。イノシシの姿をした依頼主がパフォーマンスをしている30分間、声をかけるでもなく、ただそこに立っていただけだ。「孤独だなと思った時に、この人が見てくれていたと思うと気持ちが違う」と女性は満足そうに話し、交通費として500円を支払った。

   別の日には、保育士志望の39歳の女性の「実技試験の歌のテストに向けて、知らない人の前で練習したい」という依頼で、一緒にカラオケボックスへ。会社員の女性(45歳)の依頼で個性派アイドルのライブに同行したこともある。

   「知らない人を入れることでマンネリ化を防ぎたい」というWEBサービス会社の会議に同席したり、離婚することになった20代の会社員の男性とそば屋で待ち合わせしたりもある。「きのうから別居生活が始まった記念に一緒にそばを食べてほしかった。依頼することで離婚をいい思い出にしたかった」という男性と、一緒にそばを食べた。

本人はどんな人?大学出て出版社に勤めたが「なんもしたくない」

   「レンタルなんもしない人」は大阪大学大学院卒業後、学習教材の出版社に就職したが、「固定的な人間関係を毎日続けていくのが苦しかった」と3年で退社。上京してフリーライターやお笑い養成所に通うなどしていたが、「なんもしたくないな、なんもしないのがむいているなと思い始め、なんもしないことにどれぐらい需要があるか実験してみようと思ったんです」と話す。

   昨年6月(2018年)にツイッターでこのサービスを始めた。「役に立っているサービスをやっているという感覚ではなく、新しいこと、面白いことをやっているという感覚の方が強い」という。

   妻は2歳年上、1歳の息子もいる。いまは貯金を切り崩して生活しているが、イラストレーターの妻は「本当に向いていることをやり始めたのかなと思います。楽しんでいる姿が嬉しい」と認めている。

   近藤春菜キャスター「何もしないことで、いろんなところへ行って新しい自分に気づくこともあるだろうから、こういうことを考えたのはすごいですね」

   司会の加藤浩次「何もしないって、人生の中で大事ですよ。何もしない日々が続くと、とんでもなく何かし出すという作用反作用の関係です。だからこの人もこれから何かし出すと思いますよ。それが楽しみですね」

   いや、なんもしない人より、それを依頼する人の方に興味がわく。