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心愛さん事件「暴行を止めなかった」母親を逮捕 DV被害の女性は「抵抗しないこと」を学ぶ悲劇か?

   千葉県野田市の小学4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で死亡した事件で、母親(31)もきのう4日(2019年2月)、傷害の疑いで逮捕された。父親の栗原勇一郎容疑者(41)は先月の1月24日、心愛さんの髪の毛を引っ張ったり、冷水のシャワーをかけたり、首のあたりをわしづかみにしたりしたとして傷害容疑で逮捕された。母親は自宅にいたにもかかわらず、暴行を止めなかったため、共犯関係に当たると判断された。

自分が止めにはいると夫の怒りが爆発すると心配したのか?

   母親は結婚後、心愛さんが生まれたあと一度離婚したが2017年ごろ復縁した。当時、住んでいた沖縄県糸満市に「母親が夫の家庭内暴力(DV)を受けている」と親族から相談があったという。

   その後、野田市に転居し、2017年11月には心愛さんが小学校のアンケートで父親の暴力を訴え、その欄には「おきなわではお母さんがやられていた。お母さんは味方」といった担任のメモがあった。

   母親はなぜ止めなかったのか。児童相談所勤務歴19年の家族問題カウンセラーの山脇由貴子さんは次のように指摘する。

   「自分が手を出して止めに入ることで、父親に怒りをさらにエスカレートさせて、もっとひどいことになるんじゃないかという恐怖心もあったと思う。DV被害の女性は『学習性無力感』があって、自分が抵抗することによって、もっとひどい目にあうことを経験しているので、何もしないで無抵抗でいることが最大の防御と学んでしまっているところがあります」

   一方、「共犯関係」と判断した警察の判断について、元警視庁捜査一課理事官の大峯泰廣さんはこのように語る。

   「現場にいて、夫が子どもに対して傷害を加えている。そばいた母親には、それを制止させる義務があるのです。止めもしないで黙って見ていては、これだけで共同正犯は成立します」

   司会の加藤浩次「どう思いますか」

   キャスターの近藤春菜「とっても難しいですね」

   取材してきたリポーターの阿部祐二「これから妻と夫のふたりの精神鑑定に入って行くと思います」