2019年 7月 16日 (火)

現在に舞台を移しても違和感がなかった清張の当たり狂言。悪女とされる球磨子(黒木華)の哀れと米倉涼子のしてやったり
<松本清張ドラマスペシャル「疑惑」>(テレビ朝日系)

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   何度見たかわからない清張の当たり狂言である。今回はスマホもある現代に設定されていたが、あまり不都合な場面もなく、脚本家(竹山洋)の力量が示された。白河球磨子(黒木華)を弁護するのが男ではなく女弁護士の佐原卓子(米倉涼子)、溺死する鬼クマの夫の白河福太郎が中村梅雀。弁護士を女にしたので華やかになった。
   前科4犯の球磨子は2歳の時に野原の真ん中で母親に置き去りにされた薄幸の女。岸壁から車で飛び込んで、夫の福太郎を殺し、自分は多額の保険金をせしめようとした稀代の悪女として逮捕される。だが、犯行時の記憶がなく夫を殺していないと主張する。先輩弁護士(故・津川雅彦)から冤罪かもしれないと弁護を依頼された卓子は球磨子に不思議な魅力も感じて自分なりに調べる。
   結局、卓子は車の中に残されていた福太郎の片方の靴とスパナは、福太郎が球磨子と別れることに絶望してブレーキに靴とスパナを挟んで効かないように細工し、彼の方こそが彼女を殺したのだと喝破する。判決は無罪。やっと記憶が戻った球磨子が、海から這い上がった時に見たものは、2歳の時に捨てられた野原の風景だったという哀れ。淡々と供述する黒木華の表情と、してやったりの米倉涼子の勝気な顔の対照が面白い。また、現在が舞台なので裁判員裁判であり、球磨子の供述に涙する裁判員もいたと点景描写もなかなか聞かせる。死せる津川の顔色が病的で、遺作の印象を濃くした。(放送2019年2月3日21時~)

(黄蘭)

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