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たった2秒で車盗難!特殊装置でスマートキー作動させて解錠・エンジンスタート

   森圭介アナが「イギリスの警察が自動車泥棒の瞬間の映像を公開しました」と取り上げた。2人組が駐車した車に近づき、1人がライトで車内を照らしてだれも乗っていないのを確認し、もう1人は黒い箱のような装置を手に持っている。その装置を建物にかざしてから2秒、ライトが点滅して解錠した。男はドアを開け、乗り込むとエンジンをかけて逃走した。1分もかからない早業だ。

   森「リレーアタック複数でやるのでと呼ばれる手口で、日本でも被害が拡大しています」

   東大阪市のAさん(37)は去年9月(2018年)から1か月間に、自宅ガレージに駐車してある「レクサス」を3回もリレーアタックで盗まれそうになった。防犯カメラの絵異常を見ると、何かが入ったリュックサックを前抱えした人物が近づき、リュックにつないだロープのようなものをAさん宅に向けると、数秒後にヘッドライトが点滅し、ドアロックは解除。もう1人が乗り込もうとした瞬間に人が通りかかり、犯人は逃走した。

家の中に置いてあるキーが反応

   その後、Aさんが自動車販売店でドア開閉の履歴を調べてもらうと、異常はなく、すべて通常通りリモコンで正常に作動していた。リレーアタックとはどんな手口なのか。身に着けているだけで車のドアロックや解除、エンジン始動などが可能な「スマートキー」の仕組みを利用している。

   スマートキーは車が発するリクエスト信号の範囲内で作動するのだが、範囲外では反応しない。ところが、自動車評論家の国沢光宏氏は犯人グループは信号を増幅させているのだと解説する。映像で男の一人が持っている装置で信号を増幅して、家の中にある本物のスマートキーに中継して、ロックを解除しエンジンを始動させているのだ。

   国沢氏「いままでは、(解錠やエンジン始動は)道具が必要だったのですが、それも不要。アラームもならないので、あっという間に盗まれてしまいます」

   現在、国内で生産されている車の約7割がスマートキーだという。警察庁の2018年の車の盗難認知件数は約8600件だが、国沢氏は「その半分くらいがリレーアタックではないか」と見ている。

アルミ缶に入れて信号もれ防げ

   保険会社19社による2017年度の盗難車の状況データによると、最も盗難被害に遭ったのはトヨタの「プリウス」で、「ランドクルーザー」「ハイエース」「レクサス」、日産「スカイライン」が被害上位5車種だ。

   大阪府警は去年(2018年)摘発した窃盗団はレクサスなど約120台を盗み、キーを付け替えて中東やアフリカへ輸出していた。被害総額は約9億円。

   対策はある。スマートキーの信号を遮断するために、アルミ缶などの中に入れる。信号が外に漏れない専用のポーチに入れる。スマートキーに電源OFF機能があるなら電源をOFFにしておくなどである。

   司会の加藤浩次「まずはポーチや缶。今すぐやったほうがいい」