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<さすらい温泉 遠藤憲一>(テレビ東京系)
エンケンが男仲居の温泉宿泊りたい!深夜らしい「お尻丸見え」

   冬にぴったりの温泉旅情ドラマだが、そこはテレビ東京のこと、一筋縄ではいかない。役者の遠藤憲一(本人)が役者を引退し、日本全国の温泉宿をさすらい、素性を隠し、中井田健一の偽名を使って男仲居の健さんとして働いているという設定で、エンケンがなぜそんなことをしているのかと、ディレクター(演じるのは俳優・橋野純平)が追求する。

   ノンフィクション風(あくまでも風)の部分と、ドラマ部分を絡ませ、不思議な世界を創り出している。「山田孝之の東京都北区赤羽」「山田孝之のカンヌ映画祭」を面白がれる人なら楽しめるはず。

毎回のわけあり女性客役は温泉ドラマの女優たち

   最初と最後のノンフィクション部分は俳優・遠藤憲一なのに、ひとたび温泉旅館に足を踏み入れると、中井田健一になり、誰も「あの遠藤憲一さんですよね?」とならないのが不思議。とくに、第6湯(第6話)は女優がらみの話だったのに、最後までバレないのはなぜ?と思ってしまった。

   その第6湯のゲストは加藤貴子。宿は「箱根強羅温泉 強羅天翠」。お風呂の湯が熱過ぎては入れないとクレームをつける女性客役は、30年前に箱根駅伝を題材にした「俺たちのタスキ」でヒロインを演じた女優だという。

   毎回、わけあり女性の悩みを健さんが解決し、身も心もスッキリという流れなのだが、失礼ながら、この女優さんの名前は出て来なかった。顏は見たことあるんだけど、誰だっけ、誰だっけと思っていたら、ドラマの中でも、30年前のドラマに主演したものの、あとは鳴かず飛ばずという設定だったりして、微妙にリンクしている。

   エンドロールで名前が出てスッキリした。かつて、TBS昼ドラ「温泉へ行こう」シリーズで主演していた女優さんだと思い出した。

胸はNG―だれが決めた基準?

   「男はつらいよ」の寅さんさながら、大きなトランク1つ持って、温泉宿をさすらうエンケン。なぜ温泉宿を転々としているのか。その謎は最終回まで見れば解明するのか。

   温泉に入浴シーンは欠かせないということか、毎回、湯けむり美女による入浴シーンがある。深夜ドラマだし、こういうのもないとねという挑戦かもしれないが、お尻は丸見えOKで、胸はNGらしい。この基準は誰が決めたんだろ。

   「孤独のグルメ」の温泉版ともいえる。ドラマの終わりに「本日働いた宿」として、ちゃっかり宿の紹介がある。ドラマで宣伝させてもらいますからと、何かと便宜を払ってもらっているのだろう。あ~温泉に行きたい!

   番組の最後、強羅の茶店で「なんで。お酒やめたんですか」と問うディレクターを無視し、団子を貪るように食べるエンケン。そこに、小さくテロップ。

   「このドラマはフィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。が、遠藤憲一さんは本当にお酒をやめたようです」

   どこまでも人を食ったドラマだ。(毎週水曜 深夜1時35分~)