ホーキング博士 最後の問い「AIが人類にもたらすのはこの世の最善か？最悪か？」遺作で挑発

もっと賢くなければならないのは人間だ

   武田真一キャスター｢興味を引いたのは、『AIが意志を持ってわれわれと対立する』という言葉です。こんなことって起きるのでしょうか｣

   ゲストのAI企業家、西川徹(「Preferred Networks」社長)はこう答えた。｢コンピューターの計算能力が、人間の計算能力を超えることは十分あり得るでしょう。一方で、今の深層学習といわれる技術は、意志を持つには程遠い。なので、その可能性はあるけれども、開発の過程で安全性をしっかり守っていくテクノロジーを開発することが、極めて重要になると思います｣

   カリフォルニア大バークレー校の村山斉教授はこう見る。｢技術って、同じだと思います。化学が進歩して、いろんな物質が合成できるようになると、化学兵器が作れる。あまりにも悲惨な効果に、国の間で条約を結び、戦争になっても使わないようにする。セーフガードが必要になるというのはよくわかります｣

   ホーキング博士が言いたいのは、賢くなくてはいけないのはAIではなく、人間だということであろう。

＊NHKクローズアップ現代＋（2019年3月6日放送「車いすの天才ホーキング博士の遺言」）

文   モンブラン