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〈オトナの土ドラ「絶対正義」〉(フジテレビ系) 
超展開!主人公を殺した同級生4人の末路...白石聖、恐怖の演技!恐怖の肉叩きが怖すぎる!

   山口紗弥加演じる主婦・高槻範子が、「正義」や「法律」をガンガンに振りかざし、同級生4人やその周囲を巻き込んでいく、秋吉理香子原作・東海テレビ×FCC制作のサスペンスドラマの終盤第7話...。だがこれまでのストーリーは既に序盤では予測できないようなものになっている。

   主人公・範子にとっては善意のつもりだったが、そのせいで高校時代の同級生4人(美村里江、片瀬那奈、桜井ユキ、田中みな実)は、第5話で全員人生を台無しにされる窮地に陥り、何と範子の首を絞め、崖から突き落としてしまうのだ。範子の遺体はどこに行ったのかわからないが、いつになっても姿を見せない。どうやら範子は死んだらしい...。まさか主人公が途中で殺されるなんて!

ヒロインを殺した4人にパーティーの招待状が届く

   そして5年後、4人は以前より幸せに暮らしていたが、当然いつか事件が明るみに出ないか、おびえながら生活している。そして今回の第7話。なんと死んだはずの範子から和樹(桜井ユキ)宛にラベンダー色の手紙が届く。例の日からちょうど5年後の日に、パーティーを開催するという。他の3人にも同様の手紙が。

   意を決し、パーティーに参加する4人。招集をかけたのは範子ではなく、5年前はまだ小学生だった娘の律子だった。範子の高校時代を演じた白石聖が演じており、髪型も同じなので、範子感全開で怖い。だが、律子はあくまで思い出を語るパーティーだと念押し。これでホッとした4人だったが、律子がみなさんに見てもらいたいものがあると言い始める。3か月前に見つかった母の時計だという。遺体はまだ見つかってないが、曰く、

「その時計に母が最期に見た瞬間が記録されていました。動画撮影機能が作動していたのです!」

   絶体絶命の4人!ここから話は急展開。そこから、観衆の眼前で第5話の腕時計目線の殺人シーンが本当に映し出される。やはり最初からの律子の罠だったのか、警察もすぐに出動、あっけなく逮捕。センセーショナルに報道される4人。さらに懲役20年の判決。そして、次のシーンで刑期満了の出所!犯罪がバレてからここまでわずか10分で20年を描く超高速展開!

出所した4人はまた山小屋に呼び出されて...

   そして、出所した4人を律子は山小屋に集め、肉叩きで豚肉を叩きながら恐怖の演説をする。

「知っていますか? 最高級の豚って一番幸せな瞬間に殺されるんですよォ!自由を感じながら野を走り、おいしい餌を食べて肥え太り、一番脂の乗った幸せの絶頂を迎えた時、殺されるんです。私そこに一種の正義を感じるんです! だって豚は食べ物として生まれてきたんですから、その死に方は理にかなっていると思うんですよね」

   4人は食肉用の豚だったのか! 若いのに凄みも持ってこの台詞を言える白石聖はスゴイ女優だ。また、過不足のない「法律」を体現していた範子よりも、律子は若い子らしくもっと徹底的に追い詰めないと気が済まないようだ。さらに律子から驚愕の事実を告げられる。実は範子は意識がないが、まだ生きているというのだ。そして最終回へ一気になだれ込む。

   東海テレビドラマの伝統的な要素である、狂った主人公、狂った超展開に、現代社会的なテーマを加味した、なんとも凄まじい作品だ。

(2019年3月16日夜11:40放送)

鯖世傘晴