2020年 11月 28日 (土)

だれのため?コンビニ深夜営業――客はチラホラ、オーナーはヘトヘト

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   国内のコンビニは5万5000店余り。セブン‐イレブンが今年7月(2019年)に沖縄進出すれば、ローソン、ファミリーマートの大手3社の空白県はなくなる。コンビニのほとんどは本部とフランチャイズ契約を結んだ個人事業主によって営まれているが、兵庫県の酒井孝則氏も16年前に脱サラしてコンビニオーナーになった。そのベテランオーナーがいま困っているのが、24時間営業の困難さだ。

   朝7時すぎに店に行くと、オーナーを待っていたのは、客が残したトイレの汚物トラブルだった。男子トイレの小便器に大便をし、その汚物処理だ。処理を終えると、客が床にこぼしたコーヒーの跡片付けと、休む暇はない。午後5時前にようやく仕事を終えて帰宅したが、夜11時過ぎに再び出勤して深夜勤務に就いた。人手不足、高騰するアルバイト店員の人件費を削るために、オーナーも深夜勤務を週3回こなしているのだ。

   この日の深夜の来店客は、1時台4人、2時台7人、3時台7人、4時台7人と計25人で、売上高は1万4934円。深夜勤務のアルバイト店員を雇えば赤字になる。

   朝6時前に出勤してきたアルバイト店員と交代したが、直後に来店客が急に増え、さらに交代したばかりのアルバイト店員が体調不良を訴えて帰宅してしまう。結局、昼過ぎまで勤務し、オーナーの労働時間は延べ23時間に及んだ。

   こんなハードワークにもかかわらず、オーナーの収入は少ない。酒井さんの昨年(2018年)の営業総利益は3822万円で、このうち半分の1741万円はロイヤリティー(看板使用料や経営指導料など)として本部に納入する。アルバイト店員の人件費や光熱代は店側の負担だから、手元に残ったのは295万円だった。

本部も店舗増やさずセルフレジなどの対応

   これだけの過重労働、薄利で、深夜のわずかな客に対応するためだけに24時間営業を続ける必要があるのか。大手コンビニの本部社員はこう語る。「本部は、店の利益よりもロイヤリティーを重視しており、1時間でも2時間でも営業をしてもらったほうが、本部の利益につながるんです。オーナーから深夜営業を止めたいという声があるけど、次の契約に関わりますよと言って本部の方針を徹底させてきました」

   コンビニを指導監督している経済産業省は、コンビニ8社に「24時間営業など拘束時間が長く休みが取れないことなどへの処遇の不満や不安、利益分配に対する不満が多い」と異例の警告を行った。これを受けて、大手3社は深夜営業をなくす営業時間短縮の実験を行い、どのような課題があるか検討を始めている。

   キャスターの武田真一「コンビニが社会インフラになっている状態を、今後も持続するにはどうしてらいいのでしょうか」

   ノンフィクション作家の石井光太氏がコンビニの取材で得た次のような話を紹介した。「アルバイトやお年寄り、外国人の店員が増えていますが、扱う量が膨大で、彼らには覚えられないんです。店長がずっと詰めていないといけない。本部はオーナーにヘルプ制度があり、これを利用すれば海外旅行にも行けると説明しているが、まったく機能していません」

   本部もいまのビジネスモデルはもはや限界があるとして、これ以上店舗を増やさず、セルフレジの導入などを進めるという。いまや日本の生活にはなくてはならないコンビニだが、売り手良し、買い手良し、世間良しにするために、抜本的な見直しの時期が来たようだ。

NHKクローズアップ現代+(2019年4月10日放送「密着!コンビニ店主24時 便利さの裏で何が?」)

文   モンブラン
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