2024年 4月 24日 (水)

親が認知症になってからでは遅い!介護費用に充てるはずが資産は凍結――元気なうちに家族信託

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きょうだいの仲が悪かったら成年後見制度

   きょうだいの仲がよくない場合もあるだろう。認知症の母親を持つ男性(69)は、預金の不可解な引き出しに気づいた。母親の口座から49万円ずつが何回かおろされ、総額500万円以上になっていた。当時は、50万円未満なら家族が引き出せた。母と同居の兄に聞くと、「なんでおまえに言わなければならないんだ」と反論された。

   この男性は司法書士に相談し、成年後見制度をすすめられた。家裁に申し立て、第三者の後見人に資産管理をしてもらう制度だ。後見人の同意なしには財産を処分できない。この男性の場合は、弁護士が後見人に選ばれ、兄が預金を勝手に引き出せなくなった。

   ただ、カネの出し入れは極めて面倒になる。自宅の修繕をするときも、4社から見積もりを求められ、同居している親のために必要という上申書を裁判所に提出しなければならない。いったん制度に登録すると、親本人の能力回復が認められない限りはやめられない。後見人には、財産規模によって報酬(家裁の目安は月2~6万円)を払う。

   好き嫌いや相性を理由に、後見人を替えることはできない。杉谷さんは「制度をよく理解してから使うことが必要ですが、争族の渦中にある人ほど利用価値はあります」という。

   武田は「しっかり準備した方がいいですよね」とはいうものの、500万人ともいわれる認知症患者の中で、制度を使っている人は21万8000人と、まだ4%程度である。

   杉谷さん「こんなに大変だとは思わなかったと、みなさんが言います。家族で早めに話し合っておくほうが、話し合わずにおくよりも、しんどさははるかに軽くなります」

   高齢化社会の必要事項なのかもしれない。

NHKクローズアップ現代+(2019年4月16日放送「親の"おカネ"が使えない!?」)

文   あっちゃん
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