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佐川急便名乗るSMSにご用心! 「キャリア決済」悪用し勝手に買い物されてしまう

   きょう22日(2019年4月)のあさイチは「巧妙化するスマホ詐欺」特集だ。博多大吉キャスターが「私は引っかからないと思っている人ほど危ないんです」と取り上げた。

   周りから「スマホの大先生」と呼ばれるほどスマホに詳しいと自負している松岡忠幸アナも、「カモフラージュ詐欺」なる新たな手口に引っかかりかけた一人だ。

   松岡アナのスマホに、電話番号を使って送られる「ショートメッセージ(SMS)」で「お客様にお荷物のお届けに上がりましたが不在のため持ち帰りました。下記よりご確認ください。」との文章とともに、「sagawa」と記されたURLが届いた。

   松岡アナ「荷物が届く予定もあったので、ありうると思ってアクセスしてしまいました」

   アクセスすると、佐川急便の公式サイトにそっくりなサイトが開いた。しかし指示に従いページを見ていくと、提供元不明のアプリをインストールさせる手順が書かれていた。ここは「スマホの大先生」らしく、「正式なアプリではないものを大手の宅配業者が使うのは怪しい」と判断でき、被害を免れたという。

アプリが不特定多数にSMS送り付け被害拡大

   メッセージの発信元の番号に電話してみると、相手は北海道に住む40代の男性。佐川急便とは無関係で、メッセージを送った覚えもないという。松岡アナが男性の元を訪れた。

   男性にも、松岡アナに届いたのと同じメッセージが届いていた。「不審に思わず、荷物が届いて連絡が来たと思った」といい、何も疑わずにURLを開いて指示通りに不正アプリをインストールしてしまったそうだ。

   このアプリをインストールすると、そのスマホから勝手に不特定多数の人に佐川急便の名をかたったメッセージが送り付けられる仕組みだった。男性の元には問い合わせの電話が40~50件かかってきたという。

   一体何が目的なのか。情報処理推進機構の加賀谷伸一郎さんは、この不正アプリが「キャリア決済」を悪用するものだと指摘する。

   キャリア決済とは、買い物をした際に支払いを携帯電話会社が立て替え、後日電話料金と一緒に支払う仕組みだ。アプリがインストールされるとキャリア決済で勝手に買い物され、請求が自分宛てに来てしまう。北海道の男性も身に覚えのない1万円の請求があったという。

   加賀谷さん「不正なアプリをインストールした人からメッセージが送られる。さらに届いた人がアプリをインストールしたらまたそこから...と、被害の連鎖がまだまだ続いています」

   佐川急便はショートメッセージを使った荷物のお知らせはしていないが、ゲストの田中卓志(アンガールズ)は「近くの宅配業者だと電話番号を登録していたりするから、ショートメッセージで連絡が来るかなと思っちゃう」。

   さらに怖いのは、アプリをアンインストールしても、キャリア決済の利用が継続されたままになり、不正利用の被害が続くことだ。勝手にキャリア決済されているかもと思ったら、まずは契約している携帯電話会社に確認を。キャリア決済額の上限は自分で決められるので、0円や必要最小限の額に設定しておけば、被害を未然に防げる。