「なっちゃんか? 俺が誰だかわかるか」
丘の上で写生をしていたなつ(広瀬すず)に近づいてきた青年が尋ねる。
「ノブさん? 本当にノブさん?」
東京大空襲の夜に、逃げ惑うなつを助けてくれた佐々岡信哉(工藤阿須加)だ。「ずっと会いたかったよ」
なつが兄の咲太郎(岡田将生)がいた孤児院に出し続けていた手紙から居場所を知り、北海道まで訪ねてきたのだ。なつを連れ戻しにきたのではと柴田家の面々は勘違いしていたが、なつの安否を気にして訪ねてきたと知って安堵する。孤児院を出た信哉は、新聞配達をしながら夜間の大学に通っているという。
やがて咲太郎(岡田将生)の話になった。孤児院を出てから新宿の闇市の芝居小屋で働いていたが、今は信哉も行方がわからないという。「こらからも探してみる。みつかったらすぐに連絡する」といい、東京の住所を置いて帰ろうとする。剛男(藤木直人)は泊まっていくように勧めるが、仕事を休めないという。
かあさんの富士子(松嶋菜々子)はなつを連れて東京に行くことを思いつく。じいちゃんの泰樹(草刈正雄)も賛成だった。これをきっかけに、なつは新しい一歩をふみだすことになる。(NHK総合あさ8時)