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黙って貸した医師、お礼したいと捜した高校生「沖縄6万円美談」実はもう一人正直な人

   那覇市の沖縄工業高校2年生の崎元颯馬さん(17)は航空券代の入った財布をなくし、困っていると、見ず知らずの人が6万円を貸してくれた。おかげで与那国島の叔父の葬儀に間に合った。

   しかし、名前を聞いていなかったので、地元の新聞社に話すと記事になり、埼玉県の医師、猪野屋博さん(68)と連絡がついた。きのう21日(2019年4月)、1カ月ぶりに再会し、固く握手をした。

   先月(2019年4月)の24日のことだ。猪野屋さんは仕事で来ていた那覇空港で、何かに悩んでいるような崎元さんに「どうしたの」と聞くと、6万円なくしたといわれ、高いと思ったが、飛行機の時間が迫っているので、急いでお金を渡した。

一度は騙されたのかと思ったが・・・

   学校の名前を聞いていたので、翌日に電話したところ、「そんな生徒はいない」といわれた。騙されたとあきらめていたが、2週間後に同僚から沖縄の新聞の記事を知らされた。実は「工業高校」を「工業専門学校」と間違っていたのだ。記事には「お礼したい」という崎元さんの写真が大きく載っていた。それを見て、涙が止まらなかった。

   崎元さんは自分がつくった「感謝」という文字を記した文鎮を贈り、猪野屋さんは財布をなくさないようにと2つ折りの財布を渡した。崎元さんは「自分も困っている人がいたら、猪野屋さんのように救いの手を差し伸べられるような立派な人間になっていきたい」と話した。

落とした財布もちゃんと届けられていた

   「ビビット」は街を行く55人に、「知らない人に6万円貸すか、貸さないか」アンケートしたところ、82%が「貸さない」だった。

   「猪野屋さんのような人がいっぱいいるといいんですが」と司会の国分太一が最後にもうひとつ。「崎元さんがなくした6万円入りの財布は戻ってきました。落とし物が返ってくるというところも、この国の良さですよね」

   この美談には、3人目の正直で素敵な人がいたというわけだ。