2019年 10月 22日 (火)

吉田鋼太郎と賀来賢人の快演に拍手。余命いくばくもない刑事と殺人犯の追いつ追われつ
<死命~刑事のタイムリミット~>(テレビ朝日系)

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   薬丸岳の原作のドラマ化。ベテラン刑事の蒼井凌(吉田鋼太郎)は余命宣告を受けていて、捜査の途中でも激痛に悩む。若いのにレイトレーダーとして豪邸に住む榊信一(賀来賢人)もまた、スキルス性胃癌で余命いくばくもない殺人犯。この2人は偶々同じ病院にかかっていてすれ違う。連続殺人犯を追い詰めるまでの追跡劇だ。

   話はいたって単純であるが、吉田と賀来の熱演によって見ごたえあるサスペンスになった。吉田は実力ある舞台俳優だが、賀来は金髪ヤンキーなどの役でヘラヘラしているのが似合うC調青年だと思っていたら、どっこい、内に怨念を秘めたシリアスな役も見事。

   榊の元恋人・山口澄乃(蓮佛美沙子)は唯一榊の過去のトラウマを知る人物で、豪邸を持っている榊が、別の家を買ったと知りその家に1人で行く。そこで彼の秘密、殺された女たちの剥がれた爪や遺品を見つける。しかし、彼女はその帰りに交通事故で亡くなるのだが、彼と「会わなければよかった」とつぶやく。それを知った蒼井は澄乃が腹に子供を宿していること、澄乃のセリフと反対の「それでも榊を愛している」と彼女は言ったと伝える。榊は狂乱する。

   余命を知り、殺人衝動のままに何人もの命を奪ってきた男が、初めて心から人間の愛によって命の尊さに目覚め、錯乱状態になる瞬間だ。なかなかに濃いドラマで、少々「今の日本でこんな連続殺人が実行できるかなあ」との眉唾も感じたが、快作ではある。(放送2019年5月19日21時~)

                   

(黄蘭)

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