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百田尚樹の正体見たり!間違いもコピペも何でもやる「売れない本は本じゃない」

   ニューズウイーク日本版が「日本を席巻する『百田尚樹現象』」という20ページの大特集を組んでいる。日本を席巻するとは大仰だが、書いたはノンフィクション・ライターの石戸諭。毎日新聞で10年ほど記者をやっていたというから、日本では数少ないリベラル派のようだ。

   百田の本を全部読み、見城徹幻冬舎社長にもインタビューしている。ここでも何度か書いたが、百田は、タレントで歌手のやしきたかじんが亡くなった後、直前にやしきと結婚した女とのことを『殉愛』とタイトルをつけ、「純愛ノンフィクション」と謳って幻冬舎から出した。

   ところが、その内容たるや、女のいい分だけで構成され、女が悪口をいっているたかじんの長女や元マネージャーのいい分などまったく取材しない、ノンフィクションとは程遠い駄本だった。長女も元マネージャーも百田と幻冬舎を相手取り訴えを起こした。結果、百田も幻冬舎も敗訴した。

   元マネージャーは『純愛』出版後、社会的な信用を失い、芸能界での職を得ることもできず、家族共々、大阪から東京へ引っ越しを余儀なくされてしまったという。石戸のいうように、表現は相手の生活を壊すこともできるのである。

   この裁判を傍聴したノンフィクション作家の角岡伸彦が、百田が法廷でこう語ったという。「確かに、書き方については、もっとこうしたらよかったという思いはありますが、仕方ない。書いてしまったんやから」

   石戸に対して、見城徹はこう答えている。「名誉棄損については申し訳なかったが、出すべきだと判断したということです。これ以上言うことはない。僕は作家の側に立つ。危険だからやめようと言うことはできた。でも、作家が熱を込めて書いたもの。うちのために書いてくれたのだから訴訟に負けても、作家の側に立つという決断をした」

   このインタビューは、百田の『日本国紀』を批判した作家の津原泰水の文庫本を、出版直前に出さないと幻冬舎側が津原に通告し、その上、見城は自身のツイッターで、津原の作品はこれしか売れなかったと実売部数を公表するという、出版人にあるまじき愚行をする前に行われた。

   彼にとって売れない作家など守る必要はないが、売れる作家なら身を挺してでも守るという身勝手なものなのだ。

   石戸は、百田人気をこう分析する。<中韓に「怒り」を爆発させ、朝日新聞という大マスコミを批判する言葉は、非マイノリティポリティクスと相性が良い。マジョリティーである「ごく普通の人」は多かれ少なかれ、中韓への違和感や疑義を持って、生活している。百田の言葉は「ごく普通の人の感覚」の延長線上にあるのではないか、と>

   百田はトリックスターと表されたことがあり、これがいたく気に入っているそうだ。<彼の自己認識はこれに近いのではないか。読者の支持がなくなればそれで終わり。物議を醸す発言も自分が思うことを言っているだけで、自分の考えに染めてやろうとは思っていない>(同)

   インタビューで『日本国紀』を書いたことについて百田はこう答えている。<「そうですね、学術的なものではないです。僕が日本という国の物語を面白く書いた、という本です。民族には物語が必要です。日本には素晴らしい物語があるのに、これまで誰も語ってこなかった。歴史的事実を淡々と書いたところで、それは箇条書きと同じです。

   僕は歴史で大切なのは解釈だと思っています。事実は曲げられませんから、事実に基づき、史料と史料の間を想像力で埋めて書いたのが、僕の解釈による通史です。日本の歴史をこうあるべき、なんて思うことはないですね>

   南京虐殺があったことは安倍首相でも認めているのに、百田は否定している。歴史修正主義者ではないのかと聞かれ、<「僕は歴史修正主義者でもなんでもありませんよ。それまで事実をねじ曲げてきたことが歴史修正であり、私は『日本国紀』で普通の歴史的事実を書いています。南京大虐殺があった、日本軍の強制による従軍慰安婦がいた、というほうが『歴史修正』だと思いますよ。それらに物的証拠、史料的証拠はありますか?」>

「南京大虐殺や従軍慰安婦こそ歴史のねじ曲げでしょう」

   百田にとって事実かどうかは関心の外にあるようだ。百田の本の書き方はトランプの手法と似ていると思う。極論を吐いて、3割の人間が支持してくれれば、大統領にもなれるしベストセラー作家にもなれる。<「売れることが一番大事。そのためにやっています。売れなくてもいいならブログに書いていたらいい。僕の本で、編集者、製本会社、書店、営業・・・。多くの人がご飯を食べているんです。売れなくてもいいから本を出そうとは思いません」>

   また百田はこうもいう。<「僕は小説家なので、政治について何かを書いて、お金をもらうという意識はありませんでした。でも、言えるツールを見つけましたね。それがツイッターです。ツイッターなら原稿料ももらっていませんから、自分の好きなことがいえます」>

   この男にとって、面白いこと、売れることが最大関心事で、間違いやコピペなど大したことではないのだ。見城社長にとっても売れる作品がいい作品で、売れなければ内容がよくてもクソなのだ。

   先日、日本推理作家協会賞を受賞した葉真中顕の『凍てつく太陽』を買おうとして、発行元が幻冬舎なので躊躇した(結局買ったのだが)。その葉真中が贈呈式で、見城がツイッター上で実売を公表したことに対して、「非常に問題があるということについては、同じ思いの方が多いと思う」と批判した。当然である。

枝野幸男の十八番は欅坂と乃木坂・・・選挙近いのにカラオケ三昧

   ダブル選挙の可能性が高まる中、週刊文春は、立憲民主党の枝野幸男代表が組織運営を最側近の福山哲郎幹事長に任せきりで、自分は番記者たちとカラオケ三昧だと報じている。それも歌うのは、欅坂の「不協和音」や乃木坂46の「君の名は希望」だという。50歳を超えているのに、少女趣味とは情けない。野党の統一候補擁立では「不協和音」があってまとまらない、支持率3%で「立憲の希望」などどこにも見えないのに困ったものだ。

   週刊新潮によると、参議院の東京選挙区で、立憲民主党は元都議の塩村文夏が出馬することに決まっていたが、そこに東京大法学部卒で朝日新聞政治部記者だった山岸一生も立憲から出馬させるという。改選議席が5から6に増えたとはいえ、自民党は丸川珠代、武見敬三、公明党の山口那津男、共産党の吉良佳子、山本太郎の5人は強い。1議席を同じ党の候補で争うなど愚の骨頂である。カラオケなど歌っている場合じゃないよ、枝野代表。

原田龍二「自分勝手すぎる性欲処理」ファン女性とクルマ後部座席で済ませてバイバイ

   ミツカンといえば1804年から続くお酢の老舗である。グループの売り上げは約2400億円、社員は約3800人だそうだ。そこでお家騒動が起きていると週刊文春が伝えている。

   話はややこしいので簡潔に書く。中埜大輔は外資系に入り香港で勤務している時、ミツカン創業家一族の娘とお見合いして結婚した。妻はグループの会長後継者とみなされていて、彼も納得していた。男の子も生まれた。

   だが、グループの会長兼CEOを務める妻の父親・中埜和英から些細なことで叱責されるようになり、挙句には、生まれた子どもを中埜夫妻が「養子縁組」したいといい出したというのである。娘の次の跡取りにしようというのであろう。

   大輔はどこか別の会社に転職しろといわれたそうだ。納得できない彼は、妻と別居するのだが、ついには妻から離婚調停の申し立てがなされるのである。当然ながら養子縁組不受理、中埜家には慰謝料を要求して裁判になっている。

   大輔は「義理の両親にとって、息子が誕生すれば私は用済みだったのでしょう」と話すが、これが事実なら時代錯誤も甚だしい。わが家にもミツカン酢は常備してあるが、こんな話を聞くと酸っぱさが際立ちそうな気がする。

   水戸黄門の助さん俳優・原田龍二(48)の「4WD諸国漫遊不倫」はおかしい。週刊文春によれば、原田はピカピカに磨き上げた4WDランドクルーザーが愛車だという。それを駆って、駅で女性をピックアップしてドライブをし、郊外のスポーツ公園の脇の小道にクルマを止めて後部座席に2人で移り、SEXするのがお決まりのコースだそうである。コトを終えると、そそくさと彼女を駅に送り届け、埼玉県の自宅へ帰って行く。

   スタジオに見学に来た女性を誘い、京都のウィークリーマンションに誘い込むこともあるというが、場所も時間も自分勝手で、行為をしてスッキリしたらすぐ帰ってしまうと、女性たちは憤懣遣る方ないようだ。

   原田に「公園で2人で何をしていたのでしょうか」と問うと、「・・・してはいけにことですね」と繰り返したという。グラビアに、その時の原田の表情が掲載されている。「まずったな」というのがアリアリである。

自動ブレーキ一番安全なクルマどれ?国交省が採点した国産車ランキング

   クルマといえば、週刊ポストに「自動ブレーキ車安全性能ランキング」という特集がある。高齢者の自動車事故が多発しているが、そのほとんどがブレーキとアクセルを踏み間違えのようだ。そうした事故を自動車の安全性能でいくらか防ぐことができるのか。時宜を得た特集である。

   助けとなるのは自動車に搭載されている予防安全性能だ。前方の障害物を察知して自動的にブレーキがかかったり、衝突回避の警報が鳴ったりするシーンをCMなどで見たことがある人も多いだろう。国土交通省所管の独立行政法人「自動車事故対策機構」が、被害軽減ブレーキ対歩行者、被害軽減ブレーキ対車両、車線逸脱抑制、後方視界情報、高機能前照灯、ペダル踏み間違い時加速抑制などを採点した。満点が126点である。

   1位はトヨタのカローラスポーツで122.4、2位がスバルのフォレスターで122.3、3位がホンダのインサイトで121.4,4位がN-VAN(軽)で120.6。16位のオデッセイは62.7である。自動運転車に行く前に、もっとメーカーは安全性の研究にカネをかけてもらいたいと思う。

   レンタル家族というビジネスがある。独り身の寂しさを埋めたい、妻と娘をレンタルしたいという要望に、「家族」を貸し出すというのだ。そんな代行サービスで一躍時の人となったのが、「ファミリーロマンス」の石井裕一社長(38)で、海外でも注目されているそうである。

   カンヌ映画祭で公開された映画『ファミリーロマンス社』、NHKの海外向けサービス『NHKワールドJAPAN』でも30分のドキュメンタリーとして紹介されたという。

   ところが、同社の元代行スタッフが、これらの映画やドキュメンタリーに依頼者はなく、スタッフである自分が依頼者、女性の代行スタッフが妻と娘、息子は石井が演じた"やらせ"だったと暴露したのである。元代行スタッフがこう話す。

   レンタル家族の依頼者は表に出せない面倒な事情や内面を抱えているから、たとえモザイクであっても簡単にメディアに出ることはないし、他の会社は頼まれても断るという。だからメディアはとはいいたくないが、出演者の真贋ぐらいチェックしておけよ。

剛力彩芽にも捨てられた?株価1540円割れ赤信号のZOZO深刻

   週刊新潮の「食べてはいけない」シリーズ、今回はパンである。今やコメを抜いてパンが食卓の主役である。「トランス脂肪酸」というのがある。「多量摂取を続けると、動脈硬化を招く。それによって、狭心症や心筋梗塞など冠動脈系の疾患を引き起こす可能性がある」(神戸大学大学院医学研究科の石田達郎特命教授)

   あんパン、クリームパン、サンドロール、スティックタイプパン、ケーキドーナツなど、菓子パン系がいけないようだ。私はフランスパン派だからチョッピリ安心。

   週刊現代が先週に続いてライザップを取り上げている。今回は、ライザップと前澤友作社長のZOZOの現状がよく似ているというのだ。<株価が急落し、投資家を慌てさせているのは、ライザップだけではない。ZOZOもいま深刻な株価低迷に悩まされている。

   インターネット通販によるアパレル事業で急拡大したZOZOの株価は一時、時価総額1兆円を超えるほど上昇した。創業者の前澤友作社長(43歳)は、剛力彩芽をはじめ女優とたびたび浮き名を流し、100億円を超える現代アートのコレクターとしても有名だ。

   ここにきてZOZOの低迷が顕著になってきている>(週刊現代)

   ZOZOの関係者がいう。<「アートの購入費や月旅行の前払い金など、前澤さんには現金が必要だった。そこで株を担保に融資を受けたのですが、さらに株価が下がれば後がない。慌てて資金を作るために自慢のアンディ・ウォーホルの絵画も売却したと言われています」>

   このまま株価が下がり続ければ、強制的に株が売却されることもあるという。<「その下限は一説に時価総額4800億円、1株1540円。非常に危険な状態です。経営に打ち込み株価を上げるしか、方法はありません」>(同)

   カルビー元社長の中田康雄はこう見ている。<「アマゾンがファッション通販で攻勢をかけ、ZOZOのモデルは目新しさを失いつつある。新しい事業モデルの展開なくして今後の成長は期待できない。株価を上げるのは甘くないでしょう」>

   ライザップやZOZOにとって厳しい令和元年になりそうだ。(文中敬称略)

【絶対当たらない馬券術】「ダービー三連複」的中しました!安田記念はアーモンドからダノンか人気薄馬へ

   競馬は記憶のギャンブルである。先週、ダービーを予想したなかで、同じように3強といわれた1968年のダービーは、3頭でけん制し合っているのを尻目にタニノハローモアが逃げ切ったことを書いた。今年も同じように、番手で我慢していたロジャーバローズが逃げ粘り、末脚では他の2頭にかなわないと考えたダノンキングリーが早めに動いて2着だった。

   サートゥルナーリアは出遅れが響いたとしても、最後は足が上がり、ヴェロックスにも差されたのはやはり距離の壁だろう。おかげさまでヴェロックスからの三連複12050円が的中。

   今週は春の最終GⅠ安田記念。史上最強牝馬といわれるアーモンドアイとディープインパクト産駒のダノンプレミアムの一騎打ちムードだ。私はアーモンドにやや不安アリと考える。安田記念は大型馬が強い。少なくとも480キロ以上ないと苦戦するから、470キロのアーモンドが絶対ではない。

   そこで、今回はカミソリといわれた競馬予想屋・宮城昌康(故人)のAB-XY方式をとらせてもらう。アーモンドとダノンの2頭から人気薄の馬へ流すのだ。相手はサングレーザー、インディチャンプ、スマートオーディン、フィアーノロマーノ、ペルシアンナイト、ロジクライ。GOODLUCK!

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。