2019年 12月 8日 (日)

「私も入居者虐待やりそう」オーバーワーク、ストレス、老人のわがまま・・・介護職員はもうギリギリ状態

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   4月3日(2019年5月)、東京・品川区の有料老人ホーム「サニーライフ北品川」の死亡した入居者は、肋骨が折れ内臓も激しく損傷していた。警察は宿直勤務だった男性職員を殺人の疑いで逮捕した。防犯カメラには入居者が仰向けに足を持って引きずられていく姿が記録されていた。

   この日の宿直は3人。2人は外国人スタッフで、容疑者が責任者を務めていた。捜査関係者によると、外国人スタッフは2階にいて午後10時過ぎに「痛い、何をするんだ」という悲鳴を聞いていた。容疑者が消防に通報したのは、それから3時間余り後だった。被害者の最後の言葉は「若い男に蹴られてやられた」だったという。

   会見した運営会社は、「(容疑者の)仕事ぶりの中で問題を起こしていなかった」と話したが、元職員は容疑者の勤務態度について、「他の夜勤の職員は制服なのに、男はラフな私服。持ち込み禁止のスマホで、ゲーム『ポケモンGO』をしていた」と話している。

   この運営会社では、2011年に認知症の入居者を拘束する虐待事案が起き、研修の実施や意見箱の設置など改善策を進めるとしたが、元職員によると意見箱は設置されず、事件の説明さえ受けていなかった。

虐待事例この10年で10倍

   厚生労働省によると、介護施設での虐待はこの10年で10倍に増えた。平成29年には過去最多の510件にのぼり、死亡事例も相次いでいる。ゲストの淑徳大の結城康博教授はこう指摘する。「介護の人手不足が原因です。一生懸命働く人が増えている一方、どうしても適正に欠けたり、福祉マインドが欠けている人も応募してくる。すると、法定上、決まった職員数を揃えなければいけない施設は、そういう人材も採用してしまうんです」

   肉親を介護施設に安心して預けるためには、どうすればいいのか。結城教授は介護施設選びに、以下の「6つのポイント」を挙げた(1)ボランティアが多い(2)介護職員の離職率が少ない(3)適切な職員の配置(4)介護福祉士の有資格者が多い(5)職員の研修制度の充実(6)建物のきれいさだけでは選ばない。

   結城教授は「(2)の介護離職率は全国平均で16%。施設に介護離職率を聞いてみるとよいでしょう。はっきり答えてくれるのはいい施設だと思います。(3)の職員の配置については、お年寄り3人に対して職員1人が法定ギリギリの決まり。ギリギリでやっているところは介護の質に疑問があります」という。

   人手不足による長時間労働が問題になった施設の元職員は、離職率が高く経験不足の職員が多かったため、転倒や骨折などの介護事故が多発していたという。「ギリギリの状態で、その日の業務で精いっぱい。追い詰められて余裕がなくなっていった」ときに、入居者から唾を吐きかけられたり、頭突き、噛みつきなどをされ、「いつか絶対に虐待をしてしまう」と感じて退職したという。

文   バルバス
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