J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

通報3回にも関わらず放棄、児童相談所が見殺しにした詩梨ちゃんの命

   5日(2019年6月)、札幌市中央区の池田詩梨ちゃん(2つ)が虐待により衰弱死した事件で、詩梨ちゃんの顔や頭には強く殴られた痕があり、身体は標準の12キロを大きく下回っていたことが分かった。

   警察は、母親の飲食店従業員、池田莉菜容疑者(21)と交際相手の飲食店経営藤原一弥容疑者(24)に傷害容疑と、保護責任者遺棄致死の疑いもあるとみて調べている。

   池田容疑者は出産後、ツイッターに「陣痛でもう死ぬって連呼するレベルで辛かったけど、産まれた子どもが天使すぎて辛さ忘れたよね」「声出してめっちゃけらけら笑ってくれるようになった。もう感動」など娘の成長を喜ぶ投稿をしていたが、それも生後4か月ころから途絶えていた。

母親は保育園の迎えを2日間もほったらかし

   1年前に詩梨ちゃんを預かっていた保育園の元保育士は、当初から危うかった池田容疑者の育児を語る。「夜の契約で、夜中3時に迎えにくる予定でも2日後に来たりしていた。連絡が取れない状態が頻繁にあった」。また、「詩梨ちゃんはちっちゃいし、細すぎると感じた。Sサイズのおむつでもゆるゆるだった」という。

   札幌市児童相談所は2018年9月に通報を受け、池田容疑者に面会したが、「虐待はない」と判断。今年4月に2度目の通報を受け、5月12日には近隣住民から通報を受けた警察から面会に同行するよう要請を受けたものの、なぜか児相は池田容疑者を訪れなかった。

   警察が単独で池田容疑者と面会をしたのは、通報から3日後の5月15日。そこで詩梨ちゃんの足の裏にやけどの痕、頬に青あざを見つけたが、「ヘアアイロンを踏んだ」などという池田容疑者の説明に矛盾はないとして虐待の可能性は低いと判断した。

   しかしその3週間後、詩梨ちゃんは亡くなった。国は「虐待通告から48時間以内に子どもの安全を確認することが望ましい」としているが、今回、そのルールは守られなかった。

児童相談所長「我々の判断は妥当なものだった」

   札幌市児童相談所の高橋誠所長は「我々としては信頼できる関係機関である警察サイドでいったんは母子面会をして、お子さんの状況も目視しているので、その時の判断としては妥当なものだったと思っている」と話している。

   政井マヤ(フリーアナウンサー)「問題がなかったと言われても納得できない。多忙とはいえ、この対応で良かったとは思えない」

   堀尾正明(フリーアナウンサー)「例えば福岡市などでは、相談を受けた案件を民間のNPOに頼んで現場に行ってもらう仕組みがあり、成果をあげている。そういう仕組みを作っていかないといけない」