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「妊婦加算」復活!あれだけ批判受けながら・・・お母さんよりやっぱりお医者さん優先

   凍結されていた妊婦加算が2020年度から復活する。医療従事者の間では「必要」という声が多いが、女性からは「許せない。妊婦差別です」「なぜまた復活なのか」と怒りの声が出ている。

   妊婦加算は、「妊娠中は薬や合併症など特別な配慮が必要だから」という理由で、妊婦が歯科医以外の病院で受診すると、診察料に初診で約230円、再診で約110円上乗せされる制度だ。産婦人科医の要望をもとに、昨年4月(2018年)に導入されたが、9月にある妊婦がツイッター上で「皮膚科に行ったら、『妊娠中ですか? ならお会計変わります』と言われて高くなった」とつぶやいたことをきっかけに、「知らなかった」「妊婦いじめだ」と炎上した。

   自民党厚生労働部会の小泉進次郎会長も「妊婦さんに自己負担を発生させるということは容認できない」と批判し、今年1月(2019年)から凍結されていた。

おカネ払っても妊婦側の見返りゼロ

   医療政策に詳しい東京医科歯科大学大学院の川渕幸一教授はこう解説する。「妊婦加算は、医者にとってみれば、原価がかからない美味しい加算です。厚生労働省は医療を提供する側の論理だけで考えていて、受ける側にとって加算に見合うだけの見返りがあるかという検証が不足していたと思います」

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「今までは、お医者さんは(妊婦に対する特別配慮は)当たり前のこととしてやっていたんですよね。なぜそれを急に加算するのか。診療報酬を増やすために、単に名目を探しただけじゃないかという気がします」

   浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「妊婦加算が本当に必要であれば、別のところで妊婦補助をつけるような政策的な解決ができるはずです。出生率が下がっているのに、さらにこれをやると少子化は悪化しますよ」