2024年 4月 20日 (土)

逃走5日「小林出てこい!」に観念 これだけの大騒ぎに「逃走罪」が適用されないとは!?

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   「小林出てこい!」。アパートを取り囲む数十人の警察官。先頭の2人はプロテクターを付け、ジュラルミンの盾を構える。窓からの逃走を防ぐため、窓の下にも警察官が。昨日23日(2019年6月)午前6時半頃、神奈川県横須賀市で繰り広げられたものものしい逮捕劇だ。

   逮捕されたのは小林誠容疑者(43)。窃盗や覚せい剤取締法違反で懲役3年8か月の実刑判決が確定していたが、再三の出頭要請に応じなかったため、収監のため今月19日に横浜地検の担当者が自宅を訪れた。しかし、小林容疑者は刃物を振り回して抵抗し、車で逃走していた。

   それから5日間逃げ回っていたが、ついに公務執行妨害の疑いで逮捕となった。小林容疑者は観念したのか、抵抗することもなく警察車両の中でのけぞり、天井を見つめていた。さらに、かくまっていた幸地大輔容疑者(38)も犯人蔵匿の疑いで逮捕された。

保釈が増えるなか、新たな法整備が求められる

   事態が動くきっかけとなったのは電話だった。21日に小林容疑者みられる声で、知人男性に電話が入った。男性は警察に「間違い電話があった」と情報提供。この電話は幸地容疑者の名義で、横須賀市内から発信されていた。さらに、小林容疑者は捜査をかく乱する目的からか、警察に「明日22日に出頭する」と電話をかけた。こうした電話の発信元となった横須賀市内の公衆電話を特定、そこから検出された指紋が小林容疑者と一致。警察はその近くにある幸地容疑者のアパートをマークしていた。

   逮捕を受け、横浜地検のトップ中原亮一検事正が会見を開き「痛恨の極み。皆様に多大な不安を与え、ご迷惑をおかけする次第になり、まことに申し訳ございませんでした」と謝罪した。

   留置場で知り合った男性は小林容疑者について、自己中心的で自分の思い通りにいかないと暴れる人だったと語る。自分のことを「人生で半分以上はおりの中に入っている人」とも言っていたそうだ。

   逃走を助けることについては「後輩からしたら断れないですよ。それこそ刑務所から出てきたら何をされるかわからない」と小林容疑者の凶暴性について語った。

   今回の逮捕容疑は公務執行妨害。さらに犯人蔵匿教唆罪などが適用され、懲役3年が追加される可能性がある。しかし、今回の事件は保釈中の出来事で、拘束されている状態からの逃走ではないため、逃走罪は成立しないという。

   近年、保釈事例が増えており、実刑確定後の収容方法については問題が残る。検察事務官は警察官のように護身術の訓練を積んでいない。最高検察庁では検証チームを立ち上げ、収容体制や装備などの実態を調査するという。

   石原良純(気象予報士、タレント)「保釈は性善説に基づき、逃走をしないだろうからと認められる。刑が確定するとすぐ収容されるかと思っていた。出頭しないということに驚いてしまう」

   山口真由(米ニューヨーク州弁護士)「薬物事犯と暴力事犯は基本的に保釈しないようにすべき。今回は逃走罪が成立しない。逃げ得になるので、新たに罪を作ることも視野に入れる必要がある」

   玉川徹(テレビ朝日解説委員)「なぜ今までこんなことがなかったかというと、保釈がなかったから。しかし、自白偏重や代用監獄などの問題から保釈が増えてきた。新たな運用を考える必要がある」

みっちゃん

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