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「日米安保条約を破棄!」トランプどこまで本気?相手の弱み見つけて攻める天才

   アメリカのトランプ大統領が、日米安保条約を破棄したいと漏らしていたという。ブルームバーグ通信が24日(2019年6月)に、「事情に詳しい関係者3人の話」として伝えた。

   トランプは「(アメリカは日本を守ると規定されているのに)、アメリカが攻撃された場合に、日本の自衛隊が支援することが義務付けられていないのは、あまりにも一方的すぎる。不公平だ」と発言したとされる。トランプは日本のタンカーなどが襲撃された中東のホルムズ海峡の警備についても、「なぜわれわれが何の見返りもなしによその国のために航路を守らなければいけないのか。自分の船舶は自分で守るべき」とツイッターに投稿している。

   この報道について、米政府の当局者は「条約破棄に向けた動きが起きる可能性は極めて低い」としている。菅義偉官房長官も「米国の大統領府からも『米国政府の立場と相いれないものである』という確認を受けている」と説明した。

日米貿易交渉で有利な譲歩引き出す狙い

   トランプ政権に詳しい早稲田大学の中林美恵子教授は発言の真意について、「トランプ大統領は人の弱みを見つける天才です。日本にとっての弱みは安全保障です。(8月の結論を出すという)このタイミングでリークさせたことを考えると、来年の大統領選に向けての実績づくりのため、日本との貿易交渉で譲歩を迫るカードにする可能性があります」と指摘する。

   司会の羽鳥慎一「大いなる牽制球ということですね」

   浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「日米貿易交渉や米軍駐留費の負担、日本の防衛費増額など、どこかで果実を得られればいいということでしょうね」

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「トランプ大統領はブラフとか駆け引きだけではなく、本当にこういうことを思っている人です。この人がやることが日本にとってどのようなリスクがあるのか、考えなくてはいけません」

   共同通信社の太田昌克編集委員は「こういった発言を許し、リークされ、もっともらしく聞こえてしまう雰囲気が、いまアメリカにあります。根っこの深い問題だと思います」と解説した。