2020年 10月 25日 (日)

手持ち資金でオーナー社長「個人M&A」成功と失敗はここで決まる

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   後継者不足から廃業を余儀なくされている中小・零細企業を買収して、経営者になるサラリーマンが増えている。IT企業の営業マンとして今も働く宮本秀樹さんが購入したのは、東京・千代田区九段下にあるコピー代行会社だった。金融機関からの融資を受け900万円で購入した。

   近くに大学があり、学生を対象に教材や論文などのコピー代行の需要が多い。売り主の前社長の松崎ヒロ子さんは心配りと笑顔で学生たちに人気だったが、体調が思わしくないため会社を売りに出した。松崎さんには体調の許す限り社員として働いてもらうことにしており、とりあえず黒字経営は維持できそうだ。

   片岡利文ディレクター「会社を買って、いきなり収入アップというわけにはいきませんが、ハイヒール用のアクセサリー販売会社を購入した40代男性は、1年半で売り上げを5倍に拡大し、収入をほぼ倍増したケースもあります」

甘くなかった営業――掛けても掛けても切られる電話

   もちろん、失敗も少なくない。大手メーカーの技術職だった手島武志さん(52)が150万円で買ったのは、フリーペーパー発行会社だった。情報誌を発行して、企業から集めた広告の掲載料で収入を得るビジネスだ。

   毎月の広告収入400万円と計算し、そこから発行経費250万円を差し引いた150万円が利益になる。サラリーマン時代の年収1000万円を上回る1800万円も夢ではないと考え、今年3月(2019年)に購入した。

   ところが、2か月後の5月上旬になっても新規の広告はゼロ。広告を取るために企業に電話しても、たちまち切られる毎日だ。月200万円の赤字が続き、金融機関から借りた運転資金も底をついた。事業を手放し、マッチングサイトで売ることにした。失敗の原因は、営業の経験がなかったこと。電話1本で広告が取れるほど世の中は甘くない。

文   モンブラン
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