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〈木曜ミステリースペシャル ドクター彦次郎/第4話〉(テレビ朝日系)
塀の中で医学を勉強した元テキ屋の凄腕医師。連続殺人の背後にうごめく「白い巨塔」の野望に挑む

   2015年から毎年1作ずつ土曜ワイド劇場や日曜ワイドの枠で放送されてきた『異色のドラマ』が、今年は木曜ミステリースペシャルとして放送される。脚本も前3作の安井国穂から、「科捜研の女」「松本清張ミステリー」「山本周五郎人情時代劇」など幅広く活躍する人気脚本家・李正姫に交代した。前作まであったサブタイトル「塀の中から来た名医」が消えているのも、大幅リニューアルにかける制作陣の意気込みの表れか。

   『異色のドラマ』たるゆえんは、主人公の医師・大藪彦次郎(寺島進)がかつては屋台でたこ焼きを売っていたテキ屋で、喧嘩で服役中に医師を志し、服役中に猛勉強して医大に合格し、ついには医師となったという設定にある。

医大の同級生だった天才外科医との恋のさや当ての行方は

   彦次郎は現在、亡くなった妻の姉(戸田恵子)が院長を務める京都・東山の小さな医院の医師だ。言葉遣いや態度はテキ屋時代そのままの荒っぽさだが、医師としての腕は確かで、その医療知識を生かして難事件を解決してきた。街の人々からは『彦ちゃん』と呼ばれて頼りにもされている。

   ある日、彦次郎が密かに思いを寄せる小川志乃(黒谷友香)が経営する老舗旅館から、男性が倒れたとの連絡が入った。彦次郎が自転車で急行すると、宿泊客の宮脇圭介(大西武志)がアナフィラキシーショックを起こして苦しんでいた。しかし、すでに駆けつけていた別の医師・高梨英一郎(山口祥行)が、宮脇が食物アレルギーを装って慰謝料をかすめ取ろうとしたことを見破る。

   高梨は彦次郎の医大時代の同級生で、全国から患者が押し寄せてくる脳外科のスーパードクターだった。その高梨が騒動の前に志乃にプロポーズしていたと知った彦次郎は気が気ではない。

   翌朝、宮脇が河川敷で絞殺死体となって発見される。京都府警刑事の後白河孝麿(宇梶剛士)らの捜査により、宮脇は元医療ジャーナリストで、最近はある有名病院について探っていたことが分かった。その病院こそ、彦次郎と高梨の恩師・向谷教授の娘・美月(大塚千弘)が院長を務め、高梨も勤務する向谷記念病院だったのだ。

   その後、彦次郎のテキ屋時代からの知り合いの飴細工職人・三島茂夫(高橋長英)が自首し、「神社の境内で宮脇に因縁をつけられたのがきっかけだ」と供述。三島を容疑者として逮捕した後白河ら警察に対し、三島の無実を信じる彦次郎は「お前たち警察は捜査もしないで、年寄りの話をうのみにするのか?」とタンカを切り、独自の捜査に乗り出す。ところが、今度は美月の運転手(水野智則)が殺された。

   どうやら2つの殺人事件の裏には、大病院をめぐる疑惑が絡んでいそうだ。事件解明のカギは飴細工にあるとにらんだ彦次郎は、凄腕医師の本領を発揮して『白い巨塔』に挑む。果たして志乃をめぐる恋の鞘当ての結末は?(2019年7月4日夜8時放送)

寒山