2024年 4月 26日 (金)

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山本が勝って枝野が負けた参院選!言うまでもない安倍批判より心に響く明るい経済政策

   7月21日の日曜日の午後8時。NHKを付けて、すぐ消した。この日、東京は、朝雨が降っていたが、昼前には上がった。いわゆる選挙日和であった。昼近くに投票所になっている小学校へ行ったが、割合、若い人の姿が目立った。これなら投票率が上がるかもしれない。その期待は見事に裏切られた。消費税増税、年金、憲法改正と、これほど重大なテーマがありながら、投票率は50%を切り、48.53%という戦後2番目の低さだった。日本人は自ら国を変える権利を放棄したといわざるを得ない。私は、東京選挙区は既成左派政党候補の名前を書いたが、比例は「れいわ」とした。

   朝日新聞や毎日新聞は改憲派が3分の2に届かずという点を強調して、憂さを晴らしているが、書くべきは、投票率の低さに象徴される、日本人の政治的な無関心であると思う。

   週刊文春は、今回の選挙で、岸田文雄はポスト安倍の候補の座を降り、公明党や国民民主党にまで塩を送った菅官房長官が、一番手に躍り出たと書いている。立憲民主党も、枝野が野党共闘に後ろ向きだったため、山岸一生や亀石倫子、増原裕子らを落選させてしまった。安倍自民党も、自公で77議席あった改選前の議席を6議席も減らしている。

   その中で、山本太郎率いる「れいわ新選組」が、比例で2議席、得票で政党要件を満たす2%を獲得したのが目立った。山本の勝因は、「消費税廃止」「奨学金徳政令」など、わかりやすい政策を掲げたことだろう。枝野のように、安倍政権の悪いところをいくらあげつらっても、有権者の心には届かないのだ。それより、安倍首相がいった「民主党政権時代の悪夢」というフレーズのほうが、スーッと有権者の中に入っていくのである。

   週刊文春によると、山本はマルクス経済学者で反緊縮論者の松尾匡立命館大教授に傾倒していたという。松尾が書いた「左派・リベラルが勝つための経済政策作戦会議」(青灯社)の中に、「当選を決めるのは経済政策」だと書いている。4月の京都府知事選で共産党候補が負けはしたが大善戦した。彼の得票は、20代、30代だけを見ると、当選した候補より勝っていた。それは、「時給1500円へ、ブラック・ゼロ京都を」「働く人、中小零細企業、大企業がウィンウィンで税収もアップ」という政策を掲げていたからだと見る。

   また、沖縄知事選で玉城デニーが圧勝したのも、「経済が拡大することを積極的に訴える政策を掲げ」たからだ。つまり、当選を決めるのは経済政策、とくに若者たちには、今よりも経済がよくなることを積極的に訴えることが重要だといっているのである。

   衆議院解散、総選挙は、週刊新潮で政治部記者が「今年の秋から年末、遅ければ来年の五輪前後が有力視されています」という。野党が善戦するためには、政権批判、アベノミクス批判などではなく、若者や高齢者たちの心に響く明るく具体的な経済政策を提示できるかが、最大のポイントになるはずである。(文中敬称略 )

   

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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