2019年 12月 9日 (月)

気が付いたら生活資金が底をついてた!追いつめられる老親と仕送り家族

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    老後破綻とひきこもりという家族の2大危機を、1時間45分の拡大版「夏スペシャル」で考えた。77歳の元タクシー運転手の男性は65万~66万円の預金しかない。60歳まで働き、一時は900万円があったというが、退職から6年後に妻を亡くした時、まかせきりにしていた資産管理の通帳を見て、預金が底をつきかけていることを初めて知った。

   年金は2カ月で29万円。糖尿病と呼吸器疾患の医療費は年々上がり、自宅の修繕費もかかる。今は買い物は夜の閉店前に行き、値引きされる食料品でしのいでいる。離れて暮らす息子はいるが、「頼ることはできない。一人で頑張らざるを得ない」という。

   高齢者の生活改善相談に乗るファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんは、「第一段階として収支の状況を正しく知ること」を強調する。とくに支出を正確につかんで、出費にメスをいれる必要があるという。この元タクシー運転手の場合は、自家用車を手放すことや保険の見直し、把握していなかった毎月の書籍代を絞り込むことで、年間50万円を節約できるとわかった。

   国の家計相談支援事業やファイナンシャルプランナーの無料相談会でアドバイスを受ける手もある。「医療費控除の申請など、確定申告をして税金を戻してもらうことも有効です」と深田さんは勧めている。

家族同士だからこそ言い出しにくい「もうおカネがない」

   子が親に生活援助をしているケースは40~60代の70%を占め、月平均援助額は6万円というデータがある。両親の生活費を自分のたくわえから負担している41歳のシングルマザーは、「無理だなあ」と思ってしまう。両親2人の年金は合わせて月13万円で、医療費や保険料だけでもこれを超える。月32万円を預金からをとり崩しているが、実状を親に伝えても「父は聞く耳を持たない」と悩む。

   ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは、まず赤字を認識してもらうために、「面と向かうと言葉がきつくなるから手紙を書いて」と勧める。根気よく回収を重ねる必要がある。「回答がなくても、読んではくれています」という。収入が少ない人ほど、両親の老後のことを家族で話し合わない傾向があるそうだ。

   中学2年の娘を持つ40代の女性は、共働きで年収600万円台、家計は任せられている。娘が高校に進学すると、全国平均で月8万円かかるといわれ、「これまでのように月4万円の預金はきつい。ただただ不安」と話す。

   「夫に節約は言いづらく、そこから老後破産につながることもあります」と注意を呼びかけるファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは、家族マネー会議を提案する。子供もふくめて、月1回、家族全員で話し合って家計状況を共有する。ここでも、まず現状把握が必要だ。

   半年前から妻と子供3人と始めた47歳会社員は、「わか家にどれだけカネがあるかを自由に話せる雰囲気を作っていきたい。何を親に求めるべきかを判断できる子になってほしい」という。

   深田さんは、感情的な言葉から入らずに、「まずは収支を書き出すことです」と指摘する。会社の会議に出すような資料を用意して始めるのが効果的だそうだ。こうした相談に乗ってきた司法書士の杉田範子さんは、「夫婦はお互いにプライドがあって、いま厳しいという話はなかなかできない。カードローンなどをどちらか一方が安易に借りているのがわかって、『えー』と驚くこともあります。話し合いが大切です」と強調する。

   収入のダウンは緩やかに来るのではない。役職定年、60歳定年、65歳年金生活スタートと、さまざまな「崖っぷち」に立たなければならない。「その危機感を持つことで、おカネがたまりやすくなり、老後の準備ができます。まずは貯蓄し、残りで暮らすぐらいの習慣をつけておけば、老後は悪いことばかりではありません」(深田さん)、「おカネのことはむしろチャンスで、父母にさりげなく話し、家族みなで話し合いの糸口を見つけてほしい」(杉田さん)と、親子、夫婦、家族の話し合いが最良の対策だというのだ。

文   あっちゃん
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