2024年 4月 24日 (水)

「日韓悪化」外国人はこう見ている!両国ともリーダーシップ欠如でどっちもどっち・・・

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   不確実なことばかりの世の中で、唯一確実なのは死ぬということである。だが、日々の忙しさに取り紛れて、それを忘れてしまう人が多い。週刊現代は毎週、そのことを読者に教えようとしているのかもしれない。今週も「病気で死ぬのはこんなに不幸」「死んでからわかる、あなたの値打ち」「大事な遺産を親戚に横取りされない遺書の『書き方』『書かせ方』」と「死」のオンパレードだ。

   死がそう遠くない私は、こんな陰々滅々たる特集を読みたくはないが、週刊現代は、武士道のように、常に死を考えることこそよく生きることだという深遠な編集方針で記事づくりをしているのかもしれない。

   そんな週刊現代の中で、読んでみたくなったのは「ちゃんとした外国人に聞いた」と頭に付いた日韓問題。米スタンフォード大のフランシス・フクヤマ教授は、今回のGSOMIA破棄は韓国の内政問題だとし、「貿易摩擦については、日本も韓国も、トランプ流の関税強化策に引きずられ、その手法をマネてしまっているように映ります」と、どっちもどっもという見解。

   米ジョージア大学のセレステ・アーリントン教授は、日韓関係は深刻だと見ている。そして、「分別あるリーダーシップが欠如している両国の政府ともに責任があります」と指摘している。

   『日はまた昇る』の著者ビル・エモットは、加害者は歴史を無視・忘却・軽視するが、被害者の歴史的な記憶は消えない。だから、韓国で歴史的記憶が重要な役割をしているのは、何ら驚くことではないという。そして懸念することが3つあるとして、1つは北朝鮮の新たな挑発を助長するリスクがある。2つ目にはアメリカの無関心によってアジアの主導権が中国に移る。3つ目は主要な調停者であるWTOのさらなる弱体化だと指摘する。

   「今回の摩擦はタイミングが悪く、かつ破壊的なものに思える」(ロンドン大のアレッシオ・パタラーノ日本プログラム部長)

   「両国のリーダーが歴史問題を、政治的な利益を得るために利用している」(米ポモナ・カレッジのミェチスワフ・ボデュシンスキ准教授)

   一方的にどちらが悪いという論客はいない。日韓の首脳が話し合い、何らかの譲歩をすることでしか解決できない。誰もがそう考えているようである。

一国の政治を動かし始めたSNSテロ!台湾の市長選挙、香港の民主化要求で中国発の偽情報

   SNSの暴走が止まらない。週刊新潮では、煽り運転と暴行の連れで逮捕された女性・喜本奈津子容疑者の氏名が公表される前、喜本と似ているというだけで、顔も名前もネットに晒され、恐怖に脅えることになった女性のケースを紹介している。

   2016年、朝鮮学校への補助金停止に反対を表明した日弁連や、各地の弁護士に対して、「余命三年時事日記」というブログが、懲戒請求を呼びかけ、全国の21弁護士会に計約13万件もの懲戒請求が寄せられたケースもあった。

   SNSは今や一国の政治を動かすことさえできる。ニューズウイーク日本版では、昨秋(2018年)に行われた台湾の高雄市長選で、泡沫候補同然だった韓候補が当選できたのは、中国の謎の電脳グループが、親中派の韓の支持率を押し上げるために、対立候補のフェイクニュースを大量に配布したりして"支援"したと報じている。

   8月19日には、ツイッターとフェイスブックは、香港での抗議活動を損なう宣伝を中国の偽情報ネットワークが行っていると、不正アカウントの停止・削除を発表した。

   今や、一国の政治を動かすのは、政治家のスピーチではない、サイバーテロである。

   ソウルを旅行中の日本人女性に、韓国人の男が暴行を働く動画をテレビで見ていて、ケガをした女性には失礼だが、「怖い」と思った。韓国警察はこの男を取り調べ、男も暴行したことは認めているようだから、事実を写したのは間違いないようだだが、いささかの疑問は残る。

   日本人女性には連れがいたのだろうか。男が声をかけてきたところから暴行シーンまでを克明に撮っているが、撮影者はなぜ彼女を助けないで撮り続けたのだろう。日本人はもちろん、韓国人の多くも、この男の非道を非難している。

   これが万が一、意図的につくられ、反韓感情を煽るフェイク動画だったらと考えると、怖いではないか。映画「ライオン・キング」のファブロー監督は、「CGアニメーションだと理論的に完璧な絵はいくらでも作ることができてしまう」といっている。冷静さと客観性のない日韓両国民だから、1本のフェイクニュースで、「日韓開戦 韓国よ、ならば全面戦争だ!」(2019年10月号の「WILL」増刊より)となりかねない。それが心底怖い。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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